建通新聞社(神奈川)
2022/12/14
【神奈川】横浜市 脱炭素化モデル事業者2者選定
横浜市温暖化対策統括本部は、市郊外部を中心に脱炭素化と地域課題の解決を一体的にすすめる「横浜版脱炭素化モデル事業」の実施団体を2者選定した。大和ハウス工業と野七里テラスが上郷ネオポリス・横浜版脱炭素化モデル事業を、相鉄ホールディングスと相鉄ビルマネジメント(みなまきラボ運営委員)、インテレクトの3者が相鉄万騎が原第4ビルプロジェクトとして、建物の屋上に太陽光発電設備を設置して、地域活性化事業に電力を活用する。
上郷ネオポリスでは、既設の新聞販売所を建て替えて建設する拠点施設の屋上に1時間当たり5・4`h発電できる太陽光発電設備(蓄電池を含む)を設置する。
発電した電力は、電動車いす「WHILL(ウィル)」の充電に充てる。大和ハウス工業らは上郷ネオポリスの住民の高齢化が進み、わずかな距離でも移動が難しくなる現状を踏まえ、2020年度にWHILL導入の実証実験を実施。今回、太陽光発電設備の設置に併せて本格的にWHILLを地域内の交通手段として導入し、移動の円滑化を目指す。
上郷ネオポリスでは築50年以上の一戸建て住宅が増加しており、建て替え時に再エネ・省エネ設備を導入を住民に検討してもらえるよう、地域拠点施設でイベントを開くなどして、地域住民に脱炭素化を考える機会を設ける。
南万騎が原では、既存ビルの屋上に太陽光発電設備(蓄電池を含む)を設置する。容量は未定。発電した電力をテナント企業や地域活動拠点に供給することで、二酸化炭素の削減を図る。
南万騎が原駅前では、これまで地域のにぎわいを創出するためにさまざまなイベントを開催しており、今後は、イベントの運営に太陽光発電の電力を用い、それをアピールすることで普及啓発を行う。
〜脱炭素化を自分ごとに〜
横浜市の二酸化炭素排出量は、家庭部門が全体の約3割を占め、その削減が課題となっている。「脱炭素化に地域課題の解決を組み合わせることで、地域の方々にも脱炭素化を自分ごと≠ニして考えてほしい」(温暖化対策統括本部)との狙いから、今回、「横浜版脱炭素化モデル事業」を創設した。太陽光発電設備などの設計・工事費として年間最大500万円を補助し、太陽光発電の電力を地域活性化に活用する事業を募集するもので、全国的にも例がない取り組みだ。 提供:建通新聞社