公益社団法人日本技術士会北陸本部富山県支部(佐渡正支部長)の10周年記念講演会が12日、富山市内のホテルで開かれた。
一般を含め会場に90人が参加し、オンラインで50人が視聴。来賓として、日本技術士会本部の寺井和弘会長(建設技術研究所取締役副会長)、北陸本部の平野吉彦本部長(キタック取締役副社長)、富山県土木部の金谷英明次長(部長代理)が出席した。
冒頭、佐渡支部長があいさつし、「平成16年に富山県支部の前身である富山県技術士会を立ち上げ、平成24年に富山県支部を設立して10年が経過。年2回の講演会やセミナー、県との意見交換会などを開催し、技術士制度の普及・啓発や地域経済の発展、地域防災・減災といった地域貢献を目指し活動してきた。正会員は1・5倍の162人になり、関係者の皆様に改めて感謝を申し上げたい」と述べた上で、「県支部では10周年を契機に、支部活動の活性化を目指し青年委員会を新たに立ち上げた。女性を含めた若手の方々にも積極的に活動して頂きたい。会員とともに地域社会の発展を目指し、地域の未来に少しでも貢献できる活動をしていきたい」との意気込みを語った。
来賓から寺井会長が祝辞を述べ、「目まぐるしく変動する時代の要請に応え、技術士会のプレゼンスを向上するには、組織構成や各種規則を点検し、必要となる改正を行い、法人としてのガバナンス強化して、地域組織の活性化を同時達成するための改革が必要。部会の縦糸と地域組織である横糸の交点に個々の会員が位置しており、帰属意識をしっかり持つことで縦と横の組織が織りなすイメージが構築される」と強調し、「昨年すべての技術士を対象に、資質向上の責務を公的に確認する仕組みが構築された。われわれはプロフェッションであり、不断の継続研さんが重要。それぞれの技術領域における最新の専門的学識を常にアップデートし、技術者としての資質と総合的な知見、倫理観をたゆまなくメンテナンスする責務がある。皆さんと一緒に技術士としての社会的使命を果たしていきたい」と話した。
続いて、県土木部の金谷次長が、「私達の社会は様々な科学技術に支えられている。その中で技術士は機械、建設、農業、森林など多くの部門を幅広くカバーし、先進的な活動から身近な生活に至るまで、多くの方が便利で快適に日々の生活を送れるよう深く関わっている。関係者の長年にわたる尽力に心から敬意を表したい。本日の講演を参考に、広く県民の幸せの基盤となる社会資本整備につなげていきたい」と祝辞を述べた。
司会を務めた、富山県支部副支部長(総務委員長)で事務局長の市森友明氏(新日本コンサルタント代表取締役社長)が、県支部の活動状況や成果、会員数の推移を報告し、「創造するエンジニア、行動する富山県支部」を目指して活動していると説明した。
講演会ではまず、北海道大学大学院情報科学研究院の山本雅人教授が「AIは未来社会にどのように貢献するのか?」、続いて、社会福祉法人恩賜財団済生会の炭谷茂理事長(高岡市出身)が「インクルーシブ社会を目指して〜ソーシャルインクルージョンとSDGsのまちづくり〜」をテーマに講演。終了後には、意見交換会も行われた。