高知県は、2023年度当初予算見積もりに豪雨等災害対策関連事業費として310億円を要望する。22年度当初と比べ8%増となる。引き続き「インフラ未整備箇所の整備」「ダメージを除去し、後の大きな被災を防止」「急激に悪化する事態への備え」の三つの視点よる対策を全庁を挙げて実行する。
土木部では前年度比8%増の195億6800万円を要望する。増加の要因は23年度に春遠ダムの建設が本格的に始まることによる。主な予算では、河川の拡幅や堤防の嵩上げ・強化などの改修に32億9100万円、春遠ダム建設に15億5100万円、砂防関係施設の整備に23億7200万円、緊急輸送道路などの法面防災対策に15億5700万円、河川やダムなどの浚渫に17億3600万円、公共土木施設の復旧に45億1700万円を見積もっている。
農業振興部は2%減の32億4772万円を要望する。ため池対策は8億7264万円で、これまでの対策工事の継続に加え新規地区の委託業務に着手する。地すべり対策に1億8673万円、災害復旧に5億9075万円を要求する。今後の豪雨に備えた対策には、農業水利施設の長寿命化対策や防災重点ため池のハザードマップ作成などに15億4450万円を見込む。
林業振興・環境部は12%増の35億2918万円を要望する。地すべり対策に4億9051万円、崩壊が予測される箇所の予防対策に1億9525万円、治山の災害復旧に24億5392万円、林道の災害復旧に2億8650万円を見積もる。
水産振興部は13%増の15億0194万円を要望する。インフラ未整備箇所の対応は3億4953万円で安芸漁港や野根漁港、小室漁港で置き防波堤の延伸や土砂の堆積対策、宇佐地区で雨水排水施設の整備を進める。ダメージの除去では11億5109万円で室戸岬漁港と宇佐漁港で防波堤強化や漁港施設の保全工事、春野漁港で消波ブロックの設置を行う他、各地の漁港で災害復旧、泊地浚渫などを実施する。
提供:建通新聞社