建設新聞社
2022/12/09
【東北・宮城】仙台空港にカーポート型太陽光発電
豊田通商(名古屋市 貸谷伊知郎取締役社長)、東急不動産(東京都渋谷区 岡田正志代表取締役社長)、東北電力(仙台市青葉区 樋口康二郎取締役社長社長執行役員)は、仙台国際空港(宮城県名取市 羽鳥明門代表取締役)の駐車場に、カーポート型の太陽光発電所を建設する。設計・施工は前田建設工業が担当し、2023年4月のサービス提供開始を目指す。
8日に開いた報道関係者向けの説明会で、各社が概要を説明した。仙台空港を再生可能エネルギーの生産拠点とし、東北地方の空港では最大級の再エネ導入モデル空港とするもの。カーポート型は国内の空港を見ても先駆けの事業となる。コロナ禍で旅客数が低減する中で工事を実施し、駐車場利用者への影響を最小限化していることもポイントだ。
設置場所は、「お客様第1駐車場」の東側で、仙台空港に隣接する仙台空港アクセス線仙台空港駅の下に位置するところ。敷地面積は8763平方bを予定し、ここに4320枚のパネルを設置する。576台分の屋根付き駐車場が整備される予定。年間平均181万6000`h時の発電を想定している。発電された電気はすべて旅客ターミナルビルで自家消費される。ビルの消費電力の23lを賄うことができるという。
事業主体となる豊田通商、東急不動産、東北電力の3社は、23年1月にSPCを組成する。事業者の名称は「仙台空港ソーラーカーポート発電」(仮称)で、代表企業は豊田通商となる(同社のみ出資比率34l、2社はそれぞれ33l)。内容は自家発電型太陽光発電サービスの提供となり、期間は23年4月から45年9月まで。事業終了後は仙台空港に設備一式を無償で譲渡する予定。事業費は非公開。
工事は11月30日にスタートし、年内には本格着工する。工期は23年3月末となり、4月から発電を開始する。設備の関係で100台ほど収容台数が減るので、仙台国際空港は空港の敷地の外に新たな駐車場の整備も検討している。
なお、国土交通省航空局が今年度から開始した補助施策となる「空港脱炭素化推進事業費補助金」に初めて採択された事業となる。事業費の半分が交付される。
仙台国際空港の中山幸広戦略企画グループ長兼内部品質監査室長は「これまでの青空駐車場から太陽光パネルの付いた屋根付き駐車場になるので、利便性も高まると思う。全国的に見ても最新の取り組みとなる事業がスタートすることになるが、この光景が空港を利用する旅のワンシーンとなればいい」と話した。
提供:建設新聞社