関東地方整備局は、県内における「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策」に関連する主要事業の進捗状況など明らかにした。首都圏中央連絡自動車道(圏央道)大栄〜横芝について2024年度の開通を予定している一方で、東京湾岸道路千葉県区間、銚子市における利根川下流河川改修事業、高谷U期地区高規格堤防整備事業、一宮川河川改修事業(補助事業)、千葉港海岸直轄海岸保全施設整備などは加速化対策後の25年度以降も引き続き整備を進めていく必要がある。
東京湾岸道路千葉県区間に関しては、9月30日に検見川・真砂スマートインターチェンジ(仮称)を新規事業化。10月17日には、検見川立体が事業計画に追加された。25年度以降も引き続き、整備が必要。
令和元年東日本台風により浸水被害を受けた利根川下流区間では、無堤部解消に向けた堤防整備や河道掘削を実施している。災害に強い安全で安心な地域を目指すため、25年度以降も引き続き、推進を図る。
高谷U期地区においては、堤防決壊による浸水被害の防止を図るため、市川市と共同で高規格堤防の整備を進めており、25年度以降も継続して取り組む。市川市は次期クリーンセンター建設に当たり、交通アクセスを生かした災害廃棄物の受け入れ処理など、防災拠点として計画している。高谷U期を28年度までに終え、29年度以降、高谷V期に着手する予定。
一宮川は、19年10月25日の豪雨により、床上浸水2264戸などの甚大な被害が発生。県は一宮川を中心に河道拡幅、調整池整備などを進めているが、25年度以降も引き続き、整備に取り組む必要がある。
千葉港海岸保全施設は、建設後50年以上を経過し、老朽化が進行している。高潮や津波の被害を軽減するため、25年度以降も護岸や胸壁などの整備を進める。
そのほか、加速化対策後も継続的に整備が必要な事業は、湾岸千葉地区改良蘇我地区、圏央道つくば〜大栄、銚子連絡道路(補助事業)、茂原一宮道路(補助事業)、野田市における堤防整備等の江戸川河川改修事業、北千葉道路(市川・松戸ほか)。
小林賢太郎企画部長は「引き続き、5か年加速化予算を最大限に活用しながら県内の事業を進めていきたい。一方で、25年度以降も整備が必要な箇所があるため、ポスト5か年についても安定的・継続的な予算が必要と考えている」と話した。