トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建設経済新聞社
2022/12/07

【京都】元京都府警察本部別館敷地の国有地 定借で貸し付けし有効活用

 京都市上京区の元京都府警察本部別館敷地の国有地について、国が所有権を留保し、売却せずに定期借地で貸し付けを行うことで、有効活用を図る方針が固まった。
 近畿財務局が2日、第133回国有財産近畿地方審議会を開催し、当該国有地を留保財産に選定することを諮問した。
 審議会では、未利用国有地のうち、国として保有する必要のないものについて、これまで原則として速やかに売却を推進してきた結果、未利用国有地全体のストックが減少したとし、国有財産の希少性が高まっており、今ある国有財産を現在世代のみのために費消し尽くすのではなく、将来の地域・社会のニーズに備える必要があると報告。
 国有財産の管理処分に係る見直しについて、有用性が高く希少な国有地は国が所有権を留保し(留保財産)、売却せずに定期借地権による貸付を行うことで有効活用(最適利用)を図っていくとし、留保財産の活用にあたっては用途を限定せず、民間へのヒアリング等を通じてニーズの事前調査を行うとともに、地方公共団体からも意見を聞き、利用方針を策定するとした。
 近畿財務局における留保財産の選定基準によると、留保財産の対象地域は大阪府大阪市、堺市、守口市、東大阪市、京都府京都市、兵庫県神戸市、尼崎市、西宮市、芦屋市の行政区域のうち、最新の国勢調査に基づく人口集中地区(DID)とし、土地面積2000u以上とする。
 審議会では、諮問の通り、当該国有地について、留保財産として選定することが適当と認められた。
 当該国有地は、内閣府所管の京都市上京区西洞院通椹木町上る東裏辻町418−1外1筆の土地で面積は2463・63u。
 京都府庁敷地と京都第二赤十字病院敷地に挟まれた立地で、元京都府警察本部別館敷地。用途地域は商業地域(建ぺい率80%、容積率500%)。なお元京都府警察本部別館敷地は約74%(2463・63u)が国有地で、南東の敷地約26%(865・13u)が京都府有地。
 留保財産の選定理由は、▽京都市の人口集中地区に所在する2463uの国有地▽周辺には京都府庁や国の庁舎等の官庁施設が多数集積▽病院や大学なども近隣に立地しており、地域・社会のニーズも見込まれるほか、将来における行政需要も見込まれる。
 今後は、地方公共団体に導入すべき機能等に関する意見を聞くほか、必要に応じて民間へのヒアリング等も行って地域のニーズを把握し、利用方針案を検討する。その後、審議会で利用方針の策定が諮問される。