名古屋市住宅都市局は12月6日、都心部の回遊性を高める新たな路面公共交通システムSRTについて、名古屋駅〜栄間の広小路通に連節バスで先行導入する方針を示した。広小路通を走行することで、周辺の大型開発や店舗などが集積する沿道のにぎわいづくりと一体となって、ウオーカブルなまちづくり実現を目指す。今後、乗降・待合空間について社会実験を実施する他、設計・整備の着手、交通事業者との協議、車両の調達準備に入る考え。
SRTは、リニア中央新幹線の開業を見据え、都心部の快適な移動を促進させるため導入する。当初運行では、連節バスを導入。本年度の社会実験で評価が高く、外観のシンボル性や車内の快適性を備えているため、都心の新たな魅力を創出できると判断した。
将来的には、自動運転技術など新しい技術・機能の実装も図りつつ、都心部における路線の段階的な拡充を目指す。拡充時期について、26年アジア・アジアパラ競技大会時に周回ルート(名古屋駅〜名古屋城〜栄〜大須〜名駅)の一部実現、リニア開業以降に都心部周回ルートの実現を目指す考えを示した。
乗降・待合空間は、ウオーカブル空間形成が実現でき、利用者の安全性・快適性も確保できるテラス型の施設整備を検討していく方針。テラス型は、基幹バス1号系統で導入がある形式で、車道側にせり出す形で乗降・待合空間がある。
SRTは19年1月に構想を公表。最終的に目指す姿として、▽存在感やシンボル性がある先進的な車両▽スムーズで快適な走行空間▽歩道との一体性が高く回遊性、にぎわいを創出する乗降・待合空間▽魅力ある地域をつなぎ、にぎわいを面的に拡大する東西ルート・周回ルート▽誰もが気軽に移動できる運行サービス―を挙げている。
提供:建通新聞社