徳島県は病院事業経営強化計画の素案をまとめた。三好病院に新たな外来棟を検討する他、海部病院医師公舎の整備を計画している。2019年に策定した病院施設長寿命化計画に基づき、予防保全型管理手法を導入し、外壁補修、屋上防水、設備機器の更新を進める。計画期間は23〜27年度の5年間。
三好病院(三好市池田町シマ)は、今後も起こりうる新興感染症に備え、高度急性期から回復期まで、切れ目のない医療を安定的に提供する新たな機能を備えた外来棟の整備を検討する。手術・化学療法・放射線治療・緩和ケアによる、フルセットのがん医療を担う病院とし、病床数は地域医療構想調整会議で医療機能ごとに定める。20年の病床数と比較して25年には高度急性期を35床、回復期を48床それぞれ増床する一方、急性期を83床減床する。
海部病院(牟岐町中村杉谷)は、南海トラフ巨大地震を迎え撃つ前線基地、海部・那賀地域公立医療機関への医師派遣の拠点として、医師公舎を整備する計画。25年度の病床数は現在と同じ急性期50床、回復期52床。在宅療養支援病院として地域の主治医不在時や緊急時のバックアップなどの役割も担う。
県立病院(中央・三好・海部)の3病院は、22年に総務省が示した公立病院経営強化ガイドラインに基づき、平時の取り組みとして機能の最適化、施設・設備の最適化を図る。これに向け23年度に第8次保健医療計画を策定する。
提供:建通新聞社