日本工業経済新聞社(埼玉)
2022/12/05
【埼玉】川口市 旧田中家住宅の洋館・和館に関する事前調査を23年度も継続
川口市は耐震補強に向けた現況調査を進めている旧田中家住宅の洋館・和館について、2023年度も施設の調査を継続する。同施設は18年度に国の重要文化財として指定されている。当初は22年度内にも調査を終える見込みだったが、施設の特殊性を考慮して、調査期間を長く設ける運びとなった。調査を終えた後に整備方針をまとめ、順次設計へ着手する方針。
旧田中家住宅は▽洋館=レンガ造り3階建て、延べ床面積261・9u▽和館=木造2階建て、同213u▽文庫蔵=木造平屋、床面積約100u▽茶室=木造平屋、床面積203u――などを備える施設。そのうち洋館・和館・文庫蔵、正門両側のレンガ塀が重要文化財へ指定されている。
1923年に洋館が竣工した後、34年には和館を増築している。建設時から長い年数が経過しているほか、可能な限り施設へ手を加えず耐震補強を行う必要があるなど、耐震補強手法は慎重に検討する方針だ。前段階として施設の事前調査を進め、使用している部材や耐震補強が必要な場所を洗い出す見通し。