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日本工業経済新聞社(埼玉)
2022/12/01

【埼玉】大野元裕知事、DX推進へ国に要望活動/地理空間情報の共有を

 大野元裕県知事が、県内行政のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進のため地理空間情報の共有などを国に要望した。管理者が異なる道路・河川のデジタル情報化では、国と自治体がデータ共有できる仕組みをつくることを求めた。さらに、多様な主体によるデジタル情報の蓄積や活用を促すため、国・自治体・民間らが連携できるプラットフォームの構築を提言した。
 県は、建設生産プロセスで得る3DインフラデータとGIS(地理情報システム)を効率よく連携させる新システムの構築に取り組んでいる。将来的に3D都市モデルの整備も見据えるが、地域全体のデジタル化には国と自治体の連携強化が必須となる。
 知事は「データの取得、情報更新のためのコストは小さくない。省庁、県、市町村がそれぞれのGISニーズに沿ったデータ収集を現状行っており、無駄とむらがみられる」と指摘した。
 具体的には▽国・自治体・民間などの連携による各種データ蓄積のためのプラットフォーム構築▽管理者が異なる施設のデジタル化で、国と自治体がデータ共有できる仕組み▽関係省庁・機関・団体とも調整した効率的な情報取集と共有――などを国に要望した。
 国が地理空間情報を取得する場合は、GISにおける自治体側のニーズを取り入れることが、「有効活用の最大化」(知事)になるとした。仕様の統一・共通化が進めば、コスト削減にもつながる。
 知事は、日本建設情報総合センター(JACIC)が開発し、全都道府県が採用している電子入札コアシステムの改善も訴えた。現システムには接続や認証方式などに制約があり、「24時間365日、アドレスフリーが図られるようJACICに働きかけること」を求めた。
 建設業法の許可申請(知事許可)で添付を求めている法人事業税・個人事業税の納税証明書の省略についても、DXに欠かせない視点と捉え、法令規則の改正や運用見直しを要望に組み入れた。県税事務所との情報連携(バックオフィス化)による窓口・手数料負担の軽減をイメージする。
 県によると、納税証明書の添付を伴う庁内手続きは年間約3万2000件あり、うち業法の許可申請関係が約2万6000件に上る。現行法令が省略の阻害となっているため、改善を促した。
 各要望は28日、大串正樹デジタル副大臣に対し行った。