鹿児島市が計画しているサッカー等スタジアムに関連して11月30日、下鶴隆央市長の定例記者会見で意見を述べた。需要予測等調査・整備検討支援業務の中間報告で3候補地の課題を整理。課題が解決できない場合、谷山地区の住民から要望がある県農業試験場跡地を下鶴市長は「中心市街地活性化が目的で計画しているため考えていない」とし、「市民から意見募集や12月市議会等を経て2023年1月には最終報告を取りまとめたい」と語った。
3候補地の課題では、ドルフィンポート跡地では臨港道路の付け替えがあるほか、スポーツコンベンションセンターとの一体整備に伴い、ウオーターフロントパークの代替緑地確保の検討。
浜町ではバス車庫など既存撤去と移転。住吉町15番街区は、土地が狭く埋め立てによる敷地拡張、港湾使用者などの協議、調整などがある。
ドルフィン跡で併設案の場合、港湾計画変更が必要。下鶴市長は「県の検討委員会で必要な機能が明らかとなり、全面改訂が必要か、一部変更で対応できるかでスケジュールが変わる」と答えた。
中間報告では乗り越えるべき課題や建設費、維持管理費、経済波及効果など一定の整理を実施。今後、市議会等との議論を経て23年1月には需要予測等調査・整備検討支援業務による最終報告書をまとめる。
県農業試験場跡地は、県の活用策がないために市に対して取得意向の有無を10月末までに回答が求められていた。しかし、慎重な検討が必要なため12月末まで期間を延長しているが、スタジアムの候補地としては考えていない。
本港区エリアにこだわる理由を「中心市街地のまちづくり活性化に大きく寄与(経済波及効果)すると考えている」と説明した。
■来年度予算編成状況
土木費 228億要求
23年度予算要求状況も公表。全体では4.9%(130.6億円)増の2810.8億円。このうち、土木費は1.1%(2.4億円)増の228.1億円を要求している。
部局別で建設局は1.2%増の240.9億円、教育委員会は8%増の221.2億円、環境局は7.3%減の103.4億円−など。
一般財源比較では、131.7億円の不足が見込まれ今後、国の補正予算を含む予算動向等により変動する場合がある。