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滋賀産業新聞
2022/12/01

【滋賀】県土交部・建協 意見交換会を開催

 県土木交通部と県建設業協会による意見交換会が11月24日、大津市のピアザ淡海で開催され、公共事業予算の安定的・継続的な確保など業界の抱える課題8項目について認識を共有した。
 この日は、県土木交通部から門間俊幸部長ら11名、協会から奥田克実会長をはじめ副会長、支部長ら17名が出席。
 冒頭、門間部長は「災害時に最前線で復旧に当たっていただいていること、また先のけんせつみらいフェスタへの協力に感謝申し上げます」と前置きしたうえで、「地域の安全・安心を支える本県公共事業をしっかり推進し、併せて建設産業におけるワークライフバランスの実現を図るため、週休2日制工事やDX・ICT施工の推進による生産性向上に共に取り組んでまいりましょう」と挨拶。奥田会長は「魅力的な建設産業とするためには利益率の改善が不可欠。大手ゼネコンと地元建設業を線引きした施策の展開が必要では」と語り、意見交換会の意義を強調した。
 質疑では、協会側が@公共事業予算の安定的、継続的な確保A県内建設企業の優先発注B土木事務所管内建設業の受注機会拡大C県立高等専門学校における建設系学科の設置による担い手の確保、育成等D建設DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進E設計・積算F入札契約G施工段階―以上8項目について具体的な事例も含めて改善・協力を求めた。

 主な内容は次の通り。

◎公共事業予算の安定的、継続的な確保
 協会側は「全国各地で災害が頻発・激甚化し、防災・危機管理体制の強化と社会資本整備の重要性はさらに高まっている。さらに地域経済が発展するためには幹線道路のネットワーク化等の早期整備や防災・減災、国土強靭化のための河川整備、道路施設整備、維持補修が必要」として前年度を上回る公共事業予算の確保と切れ目ない発注を要望。県側は「公共事業費の安定的な確保についてこれまでも積極的に取り組んできた。引き続き、公共事業予算の継続的な確保に努め、施工時期の平準化や切れ目ない計画的な発注に努めていきたい」と回答した。

◎県内建設企業の優先発注
 「工事全般について県内建設企業を優先し発注していただいているが、大型工事においても県内建設企業単体、あるいは県内建設企業JV、または県外建設企業と県内建設企業とのJVなど県内建設企業の受注確保を図っていただきたい」、また「PFI事業を選択された場合でも、BT方式(建設⇒移転)(民間建設買取方式)等、県内建設企業が参画しやすい方式で発注を」と求めたのに対しては「県内企業の受注機会確保に向け、今後も優先発注に努めていく。PFI事業については、制度を所管する県総務部において方針やガイドラインを策定し、各部局での適切な運用を図っているところ」とした。

◎土木事務所管内建設業の受注機会拡大
 協会側は「管内建設業は災害発生時には最前線で応急復旧活動等を行うなど、地域の安全・安心の守り手としての社会的役割を担っていることから、地域の建設企業に対しては適切な地域要件を設定し各格付企業が平等に入札参加機会が得られるよう発注を」としたのに対して、県側は「道路整備アクションプログラムや河川整備5ヵ年計画に基づき計画的に事業を進めている。県内企業への優先発注に努めており、防災・減災、国土強靱化のための3ヵ年緊急対策がスタートした時点から、各格付区分における請負標準額を増額しており、これを引き続き継続していく」とした。

◎県立高等専門学校における建設系学科の設置による担い手の確保、育成等
 協会側は「県が開校を目指す高等専門学校に建設系学科を是非とも設置を」とするとともに、施設整備に当たっては県内建設企業による施工となるよう関係部局への働きかけを求めた。これに対し県側は「建設業界の意見を伺いながらカリキュラムの検討を進めていくとともに、施設整備については、案件がWTO案件となることから、事業者を県内業者に限定することは困難」と回答した。

◎建設DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進
 協会側は、建設従事者の高齢化や長時間労働是正等には建設DXの推進が欠かせないことから、その推進を求めた。県側は「働き方改革や生産性向上のために積極的に建設DXに取り組んでいく」とした。

◎施工段階
 ▽工事の一時中止▽設計変更における変更契約▽設計変更協議書―以上について協会側の考え方を伝え、県側は「制度の適切な運用に努めていく」とした。

提供:滋賀産業新聞