高松市は、老朽化した競輪場施設の耐震化改修等の安全対策や解体・改築による施設の集約・コンパクト化と、集約などを行った際に発生する余剰地の活用・条件について、民間事業者に行ったサウンディング型市場調査の結果をまとめた。調査に参加した8者から、サイクリストを意識した店舗やホテルなどを新設する提案、競輪場再整備と一体事業ではPFIを活用する提案などがあった。
市はこれらの意見を参考に、梓・四電技術コンサルタント設計共同企業体で進めている再整備基本設計を23年3月末までに固める。23年度は場内西側駐車場や南側などのスペースを想定している余剰地活用に伴う民間活力導入に向けた事業者募集などに着手する計画。
余剰地を活用する可能性について、▽屋島など観光地への中継地がなくホテルがあれば宿泊だけでなく休憩地としての利用が見込まれる▽商業施設としての利用▽サイクルスポ―ツターミナルとしての利用▽自転車振興に資する施設で独立採算は難しい―などの意見があった。
余剰地の想定用途については▽用途地域を変更し自転車イベント開催やホテル新設など人が集まる仕掛けを行いサイクルツーリズム拠点とする▽余剰地を借地とし浜街道側に商業施設を誘致―などの提案があった。
高松競輪場再整備との一体事業の可能性については、▽にぎわい創出拠点とするためDBO(公共が資金調達し民間事業者が設計・建設、運営)またはPFIのBTO方式(民間事業者が施設を建設、完成後に所有権を公共に移転、民間事業者が維持管理・運営する)を想定▽建物の建設は可能だが、運営は市の方向性次第▽PFI事業と余剰地活用であれば興味がある▽地代を支払い新築した施設をまかなえるテナントやパートナーを導くのはハードルが高い▽競輪開催に関わる全業務を含め施設全体の管理運営業務として実施すべき―などの意見が寄せられた。
福岡町1ノ4ノ26にある高松競輪場は、施設の耐震改修や解体・改築などにより施設を集約・コンパクト化するとともに、サイクルツーリズム拠点となる環境を整備し各種イベントを開催することで、女性や子どもが気軽に訪れることができる施設として再整備する。敷地面積は8万5255平方b。
提供:建通新聞社