京都府商工会議所連合会(塚本能交会長)は21日、京都府の西脇隆俊知事との懇談会を京都市内で開催。塚本会長と府下7商議所会頭が知事にハード整備やコロナ対策などを要望した。
主な要望内容は、舞鶴商議所の小西剛会頭が▽新たな海洋産業と次世代エネルギー産業都市形成に向けた支援(重点要望事項)▽京都舞鶴港を活かした人流・物流拡大への支援▽(仮称)舞鶴市産業振興センター計画への支援、福知山商議所の塩見和之会頭が▽国道9号改修事業(重点要望事項)▽国道429号榎峠バイパス道路整備事業▽企業の継続を担う人材の確保、綾部商議所の材木正己会頭が▽綾部環状道路の早期実現(重点要望項目)▽産業用地の確保及び物流拠点の整備▽新型コロナウイルス関連の経済対策、宮津商議所の今井一雄会頭が▽天橋立の世界遺産登録(重要要望項目)▽宮津エネルギー研究所の再開発の推進(重要要望項目)▽観光振興に向けた取組、宇治商議所の山仲修矢会頭が▽国道24号城陽井手木津川バイパス北伸整備に関する要望▽宇治市産業戦略に基づく「宇治NEXT」事業への支援新型コロナウイルス感染症に対する中小事業者支援、亀岡商議所の川勝啓史会頭が▽国道9号のダブルルート化や4車線化による道路ネットワークの強靭化(重点要望項目)▽新・商工会館の建設(重点要望項目)▽亀岡駅周辺エリアの賑わいまちづくり、城陽商議所の岩見悦明会頭が▽京都府立木津川運動公園北側区域の早期整備(重点要望項目)、京都府商議所連の塚本会長が共通事項(府内商議所)として、▽経営支援体制の強化・拡充▽事業継続を目的とした資金繰り支援の強化▽京都府事業承継・引継ぎ支援センターの制度普及▽「文化庁の京都移転」並びに「大阪・関西万博」を通じた京都経済の活性化▽インバウンド再開を契機とした観光再生の推進について要望した。
西脇知事は「非常に高度で特徴がある造船技術が集積している。国やJMUに対し、洋上風力発電の検討など新事業の展開などを求めている。引き続き粘り強く提案していきたい。次世代エネルギーの拠点化については、エコ・エネルギー構想を進めており、舞鶴市と連携し、今年度は検討委員会を開催しながら、再エネを活用した地域振興策を検討している」「京都舞鶴港のハード整備は着実に進めたい。あわせて港の活用についてPRを進めたい。物流関連産業の集積を図ろうとしており、国際航路の確保とあわせて取り組んでいきたい」「(舞鶴市商工観光センターを(仮称)産業振興センターに衣替えする計画について)プラットフォームには府も参画する予定。支援体制を構築したい」などと回答。
「国道9号はこれまでに付加車線の整備が進められてきた。用地買収が完了した所から順次工事を進められている。早期完成に向け、府は土地開発公社で用地買収しているが、国に対しても早期の整備促進と事業開通を要望していく。4車線化については、今年度は用地買収、調査設計が行われる。11月9日に国土交通大臣に直接会い、強く要望した。国道429号榎峠のバイパス事業は令和2年度に着手した。令和3年度に設計業務が完了し、令和4年度は水文調査、物件調査など用地買収に向けた交渉を進めている。用地買収を踏まえ、順次工事になるが、用地については地元の理解と協力が必要。事業費の確保が重要になる。福知山市と連携し、地元への説明と、国に対し予算確保を求めていきたい」などと回答。
「綾部環状道路は、まちづくり計画と一体的に考える必要がある。どういう形で具体的に整理していくかということで、整理をしていきたい。産業用地については府・市ともに工業団地が完売しており、高速道路の結節点であり、非常にニーズが高いことはわかっている。市と継続的に意見交換を実施しており、何とか必要な用地を創出し、企業立地の促進につなげたい。一方で人材確保も誘致では重要になってくる。物流拠点はポテンシャルが高い。新名神関係の高次物流拠点が城陽に立地される予定であり、そちらも意識しながら、まだどこかということではないが、京都舞鶴港か結節点の綾部ジャンクションか、その点も含めて検討していきたい」などと回答。
「天橋立の世界遺産登録について、文化庁が移転するこの機会をとらえ、より強力に働きかけていきたい」「宮津エネルギー研究所については、宮津市と協力し、再稼働に限定せずに様々な可能性を検討しているが、まずは地元の思いを大切にしたい。関電に対しては、これまで以上に地域振興に役立つ形のことを求めている。産業創造リーディングゾーンについては、宮津市と関電と協力をして再開発を計画するのであれば、テーマも含め協力して府としても取り組みたい」などと回答した。
「(国道24号城陽井手木津川バイパスが)国の直轄の事業区間となった。かなりハイペースで進めていかなければいけない。まずはこれの開通のメドを立てること、更なる北伸については地元から強い要望をいただいている。宇治市内においては物流、人流も活性化する面があるが、一方で今のままの宇治市内の交通状況で更に交通量が増えると大丈夫なのかという心配もしている。まずは事業中の箇所を早く進捗させることが大事。引き続き今後の検討課題としたい」「(宇治NEXTについて)市内3ヵ所が産業立地検討エリアに選定されたが、宇治市が策定する地区計画に対する技術的な支援を含め支援を行っていきたい」などと回答。
「国道9号で国交省の防災事業が進められている。この対策が全て完了すると、通行規制の雨量が緩和されるとみられる。国道9号のダブルルート化は国交省が令和元年度から調査費を計上している。これは相当時間がかかると思う。関係機関と連携して国に働きかけていきたい」「(亀岡の)新商工会館は調査結果に基づき補償額、買収単価の算定を行っている。まず年内にメドに提示したい。桂川河川改修は上下一体でやらないといけない。第二段階目の霞堤の嵩上げを進めている」などと回答。
「新名神開通は大きなチャンス。アウトレットモールや次世代物流施設ができる。全国的に注目される事業もある。木津川運動公園の北側について、大屋根付き広場は強い日差しでもイベント等が可能となるもの。これまでも地元と意見交換しながらやってきた。引き続きよく意見を聴いた上で、施設の規模や整備時期など検討したい」などと回答した。