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滋賀産業新聞
2022/11/22

【滋賀】県南部土木 北川の河川改良

 県南部土木事務所は、草津市で河川の改良工事を計画、この予備設計に係る担当業者選定を12月2日に入札し、決定後、年度を跨いだ4月末に業務をまとめる。順調に行けば詳細設計を24年度、工事については25年度を予定。
 対象となるのは、草津市野路6丁目地先を流れる一級河川北川。同事務所は、台風や大雨による洪水対策を実施するため、同河川の拡幅工事を計画している。現況の河川を拡幅するには、周囲に民家やこども園、寺院などがあり、事業を進めるにあたり膨大な費用がかさむことから、同事務所は協議を進めた結果、別ルートに河川を通すことで安全に拡幅が進められ、費用が抑えられると判断した。新ルートの用地取得は完了されており、同事務所は今年度に予備設計に取り掛かることとした。
 現段階では、新ルートの延長は約300bとしており、対象延長の中には国道1号と市道を跨ぐため、そこに延長約40b、幅12b、高さ4・6bのボックスカルバートを設置する。今回の事業を進めるにあたり国道1号の下に設置する函体下の地盤が、地震時に液状化する恐れがあることから、液状化対策が必要と判断。また、地下水位が高い位置にあり、函体堀進時の遮水対策が必要で遮水対象層が粘性土主体であるため、地下水低下工法は適用性が低いことから、同事務所は現時点で薬液注入による遮水工を検討している。同事務所は、遮水工を実施する際には、国道区域外から薬液注入工を行うため、国道の交通規制などはないとしている。
 同事務所は、14年(平成26年)に計画更新を行った「淀川水系甲賀・湖南圏域河川整備計画」の中に同事業を含んでおり、その後、JR南草津駅近くの横過部より上流600bの区間において、同河川の河床を切り下げによる河積の拡大と河川の平地化を行い、治水安全度の向上を進めている。現段階では、JR琵琶湖線から上流に向かい国道1号の手前まで進めており、今回進める事業は近く更新される同計画に含まれる。なお、「淀川水系甲賀・湖南圏域河川整備計画」は10年度(平成22年度)に策定している。

提供:滋賀産業新聞