INPEX(東京都港区赤坂5丁目3番1号 上田隆之代表取締役社長)は15日、柏崎市東柏崎ガス田平井地区における坑井掘削および実証施設建設のための最終投資決定(FID)を行ったと発表した。
製造時のCO2排出を実質ゼロとする「ブルー水素」「ブルーアンモニア」の製造、枯渇ガス田の貯留槽へのCO2圧入(CCUS)実施、発電等による利用までを一貫して実証するもので、国内では初の試み。CCUSは平井ガス採取所の約1万7000平方メートル、水素、アンモニア製造、水素発電などは隣接の1万9000平方メートルで行う。これらの実証施設は月内にも敷地造成に着手、来夏から建設工事を実施し、2025年春ごろに試験運転、夏ごろの稼働開始を予定する。
計画では、同社が南長岡ガス田で生産し既存のパイプラインで運んだ天然ガスを原料に、年間700トンの水素を製造。その際、副次的に発生するCO2を回収し、東柏崎ガス田平井地区でCCUSを行うことでCO2排出量を実質ゼロとする。また、製造した水素のうち100トンをアンモニア製造、残りの600トンを水素発電に使う。発電量は一般家庭約300世帯分の約1000キロワットを想定。なお、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の助成事業。
同社は、将来的に本実証実験の成果を生かし、2030年ごろまでに3件以上のプロジェクトを事業化し、天然ガス田と既存インフラを活用したブルー水素製造プラントを建設。年間10万トン以上の水素、アンモニアの生産および供給を目指す。