日本建築家協会(JIA)北陸支部富山地域会(水野敦会長)と富山大学芸術文化学部によるイベント「富山建築トーク」が12日、JR富山駅南北通路(北陸新幹線改札口前)で開催された。今回は「寸止め」をテーマに、建築家や学生が20枚のスライドや動画をそれぞれ20秒でプレゼンし、設計コンセプトなどを紹介した。駅利用者らが足を止めて聴き入る姿も見られ、盛況だった。日建学院が共催した。
この日は種昂哲氏(スタジオシュワリ)、藤澤ともみさん(富山大学芸術文化学部学生)、林芳宏氏(空創建築計画事務所)、山田真鈴さん(富山大学芸術文化学部学生)、横山天心氏(富山大学芸術文化学部准教授)、山田哲也氏(山田哲也建築設計室)、水野行偉氏(水野行偉建築設計事務所)、山川智嗣氏(コラレアルチザンジャパン)、本瀬あゆみ氏(本瀬齋田建築設計事務所)、上原雄史氏(富山大学芸術文化学部教授)の10人が登壇。限られた時間の中、各氏が趣旨や設計に対する考え方などを簡潔に説明していた。聴講者からの質門タイムもあった。
このうち種昂氏は、自身が手掛けた作品を「寸止めリノベーション」と題して、設計への思いや工夫した点を紹介。「古い建物を魅力的な建物にリノベーションして、まちに開くきっかけにしたい。建物が完成して終わりではなく始まり」との考えを述べた。
今回のイベントは、7月に富山大学高岡キャンパスで開かれた1回目に続き2回目。駅利用者ら多くが行き交う駅構内での開催に、発起人の上原教授は「高校生や一般の方に、建築やまちづくりの面白さを知っていただく機会になれば」と期待を寄せた。イベントも好評で「来年以降も続けていきたい」と手応えを感じていた。水野会長は「このイベントを北陸支部に展開し、いずれは全国に広げていきたい」と先を見据えていた。