松戸市は公設地方卸売市場南部市場について、「民設公営市場」という特殊な運営形態となっていることなどを踏まえ、民営化を含めた検討を進めていく。施設の長寿命化が図られていないことから、今後は将来的な施設の建て替えを検討しながら、市場に求められるニーズや採算性を満足させるとともに、都市計画法、建築基準法など関係法令を踏まえたプランニングを実施。時代に即した食品流通の拠点とするため、毎年の収支の乖離(かいり)や整合性の検証、将来を見据えた機能および運営の検討・状況の確認、市・民間企業・審議会委員で意見交換を行うなど、PDCAサイクルに基づく体制を構築する。
10日には「2022年度第2回公設地方卸売市場運営審議会」を市役所7階大会議室で開催し、公設南部市場のあり方に関するこれまでの議論をまとめたほか、4月に完了した耐震補強工事について報告した。次回以降、老朽化した施設の機能強化や市場としての持続可能性を検討するほか、従来の運営形態の継続または民営化について議論を深める。
南部市場は1972年5月の開設。民間企業が土地建物を所有しており、市が公設部分の建物を借り、卸売業者等に使用許可を出す「民設公営市場」という特殊な運営形態となっている。
2017年3月末に公設地方卸売市場北部市場が廃止となったことから、市内唯一の市場となった。
敷地面積4万1628uのうち、公設区域面積は1万3758u。青果部卸売場4607u、青果部仲卸売場363u、管理事務所40uを市が公営市場として利用している。
市は総合計画の基本目標の一つとして「雇用創出・経済活性化」を掲げ、そのための施策として「にぎわいと市内外の流通を支える南部市場」を挙げている。
立地条件を生かした冷蔵庫・加工・パッケージ・配送センターの整備など物流ネットワークを強化するとともに、地元産青果物販売が促進され、市民にも親しまれるにぎわいのある市場を目指すこととしている。