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日本工業経済新聞社(群馬)
2022/11/11

【群馬】利根川水系砂防事務所は振子沢砂防堰堤を前庭保護工事へ

国土交通省利根川水系砂防事務所は、草津町地内の振子沢砂防堰堤工事を公募型指名競争入札で早ければ年明けに公告する。工事発注規模は2億円から3億円。工事箇所は下流側の前庭保護工事が主となり、合わせて本堰堤に残る未施工部分も仕上げていく。なお、今回の工事発注で事業完了とし、2023年度内の完成を目指す。設計は中央コンサルタンツ(愛知県名古屋市)が手掛けた。
堰堤は鋼製の透過型で堤長168m、高さ約20m。本堰堤はほぼ完成しており、鋼製スリットの両脇部分を仕上げる。前庭工では3000uを掘削し、約40mのもたれ式側壁を整備する。なお、コンクリートボリュームは現在積算中のため未定。また、洗堀防止のための垂直壁は1基整備する。高さは3mで、厚さは2mの規模。横幅については予算にあわせて変更となる可能性があるため調整中としている。
吾妻川流域は浅間山、草津白根山の火山噴出物による脆弱な地質と急峻な地形により、上流域からの土砂生産が著しく多量の不安定土砂が堆積する。砂防堰堤の建造により吾妻川流域の土砂災害に対する安全向上と、付近を通る国道292号および下流域を土砂災害から保全する。
同事業の工事は19年度から始まり、今回の発注で完了となる。初弾工では佐田建設(前橋市)が本堰堤の左岸工事を施工し、22年度の鋼製スリットなどの工事も担当した。21年度は前橋地建(前橋市)がコンクリート面の残存化粧型枠を施工している。
同堰提の整備は、利根川水系直轄火山砂防事業として進めている。同じ事業としてこのほかに片品村戸倉地先で片品上流第二砂防堰堤の工事が進められている。同地域は日光白根山の脆弱な火山性地質で覆われる急峻な地形のため、山地崩壊などによる荒廃が著しく、河床に多量の不安定土砂が堆積している。
現在、工事用道路約75mの設置を沼田土建(沼田市)が進めており、3月に先行して発注した維持修繕工事も担当している。本堰堤の整備は23年度以降の着手となる見込み。本堰堤は不透過型の重力式砂防堰堤で、堤長87m、高さ18m。