建設新聞社
2022/11/09
【東北・福島】脳神経疾患研究所Gが落札/郡山市の旧県農業試験場跡地売却
福島県は8日、郡山市が医療関連産業の集積を目指している約15・4fの旧県農業試験場本場跡地売却の条件付き一般競争入札を行い、一般財団法人・脳神経疾患研究所(郡山市八山田7の115 渡邉一夫理事長)を代表とする4社の共同事業所が74億7600万円で落札した。同地には同法人が郡山市で運営する総合南東北病院などを移転する計画で、今回の土地購入額を含む総事業費は約300億円を見込んでおり、2027年度の開設を目指している。
なお、共同事業所は代表者のほか、南東北第二病院を運営する医療法人社団・新生会(郡山市)、臨床検査事業の江東微生物研究所(東京都江戸川区)、薬局を展開するクオール(東京都港区)、医療開業支援を実施しているエヌジェイアイ(郡山市)で構成している。
売却地は、郡山市富田町若宮前2ほか地内の58筆で、面積は15万4760・77平方b。土地利用条件として、郡山市が策定したメディカルヒルズ郡山基本構想および指針に基づいた「医療関連産業集積機能」の整備を設定している。
同事業所の計画によると、一般財団法人・脳神経疾患研究所附属総合南東北病院(郡山市八山田7の115地内)、南東北医療クリニック(同7の161地内)、南東北眼科クリニック(同7の166地内)、南東北第二病院(同6の95地内)などを段階的に移転集約する。なお、これら既存施設の総延べ面積は約6万平方b(総床数498)となっている。
新病院について同法人は、病床の個室化、陰圧室の整備による「新興感染症への対応」、ふたば医療センターからのドクターヘリや県南地域からの救急要請など「高度・広域救急への対応」、自然災害や放射線災害など「災害への対応」の3つの役割を持った地域医療の中核的病院とする方針を示している。
また、既存病院移転のほか、新たな機能として江東微生物研究所が生化学・血液・遺伝子・細菌研究等の研究施設、エヌジェイアイが誘致する医療介護福祉関連施設を整備する。
今後、整備に向け、郡山市市街化調整区域地区計画運用指針に基づく協議を進めていく。
なお、入札には同事業所のほかゼビオホールディングス(入札額51億5000万円)が参加した。最低売却価格は39億4000万円だった。
提供:建設新聞社