県農林水産部は8日、「2022年度第1回農林公共事業評価審議会」を千葉県自治体職員福祉センター4階会議室で開催した。再評価の対象は、農業農村整備事業3件で、前回評価から5年を経過した「広域営農団地農道整備事業・安房2期地区」、計画変更から5年を経過した「経営体育成基盤整備事業・夷隅川1期地区」、採択から10年を経過した「湛水防除事業・蓮沼U期(2工区)地区」。いずれも継続が妥当された。安房2期地区においては、7工区・8工区の用地買収が難航していることから、用地交渉を進めながら、新たな路線について検討を行う。
安房地区においては、緊急輸送道路の国道127号と主要地方道富津館山線を東西に接続する計画。受益面積は7844ha。事業期間は1995〜2023年度。総事業費は132億5700万円。長工期化したため、07年度に安房地区(1期)と安房2期地区に分割採択された。全体延長7295mのうち、安房地区(1期)の4078mは09年度までに整備済み。
安房地区のうち、再評価対象の安房2期地区では、3217mを整備する。公図混乱地域の存在などにより7工区・8工区の用地買収が難航していることから、再評価に至った。今後は、23年度上半期までに、国道127号から県道犬掛館山線(南房総市富浦町大津)までの区間を供用開始する見込み。さらに、地権者を継続的に訪問し、用地交渉を続けながら新たな路線の検討を行う。
夷隅川1期地区では、ほ場の大区画化と用排水改良を行い、併せて集落排水路および集落道路の整備を実施。受益面積は118ha。事業期間は09〜26年度。総事業費は46億400万円。
夷隅川1期地区のうち、井沢工区における換地・地区境界の見直しに伴う区画整理着工の遅れとポンプ場の位置の見直しに伴う関係者間調整、また夷隅川工区における文化財調査の追加と集落排水路の計画変更に係る管理者協議を理由として、再評価に至った。
残工事等は▽本体工事(事業費ベースの進捗率94%)=暗渠排水12・8ha、換地業務1式▽関連工事(同49%)=集落排水路2・8km、集落道路2・1km。今後は、集落排水路工事を優先して推進し、本体工事の完了後に換地手続きを関連工事と並行して進め、26年度の事業完了を目指す。
蓮沼U期地区では、湛水被害を未然に防止するため、排水機場および排水路を整備する。受益面積は519・2ha。事業期間は1997〜2024年度。総事業費は58億2200万円。事業進捗率は66%。
蓮沼U期地区のうち、再評価対象の蓮沼U期(2工区)地区は、12年度から24年度にかけて排水路工4kmを実施。事業費は34億7400万円。幹線10号排水路整備において関東天然瓦斯開発が所有するガス管の移設が必要になり、地元との合意形成や関係機関との協議調整に時間を要したことから事業が長期化した。今後は、事業完了に向けて計画的に進捗を図る。