2022年秋の叙勲受章者が発表され、像設計事務所(新潟市東区)の代表取締役である中村優晴氏が旭日双光章(建築設計監理業振興功労)に輝いた。一般社団法人新潟県建築士事務所協会の会長を3期6年務め、業界の地位向上に尽力した。今後は若手人材の育成に取り組んでいきたいと話す、中村氏に喜びの声を聞いた。
半世紀以上に渡り建築設計の仕事に従事し、たくさんの思い出があるとした上で「身に余る光栄。県建築士事務所協会に加入して自らの仕事だけでなく、業界全体の事を考えるようになった。これからも協会の相談役として業界をサポートしていきたい」と話す。
喫緊の課題には建築士事務所の地位向上を挙げる。会長を務めた6年間は設計入札のダンピング防止に向け、新潟県に最低制限価格の設定を働きかけたほか、当時の役員と協力して県内市町村へ直接出向いて適正価格による発注を要望。「県が最低制限価格を設けたことにより、市町村にも波及し、一定の業務環境改善につながった」と振り返る。
仕事をする上で心がけていることは「その土地の環境、地域の特性や景観を切り口にコンセプトを作りあげること」と述べ、想像したイメージを形にすることが社名由来になっているという。今後は「体力が続く限り仕事を続け、若手人材育成や後継者確保に取り組む」と先を見据える。
Profile
なかむら・まさはる 1951年8月生まれ。71歳。聖籠町出身。78年に像設計事務所を設立。現在は新潟県建築士事務所協会相談役を務める。2014年に国土交通大臣表彰(住宅・建築事業関係功労)を受賞した。