羽島市は、同市出身の建築家・坂倉準三氏が設計した旧本庁舎の建築物としての利用価値を検討するために行った民間事業者などによる利活用に向けた提案募集の結果を公表した。2団体から提案書の提出があったが、事業者名はいずれも非公表としている。現在は、提案書の内容について2団体に確認し、旧本庁舎の建築物としての利用価値について検証している。
提案をおこなったのは、「市役所」から「子育て支援と中心市街地活性化の施設」へのコンバージョンなどを掲げた団体。立体公園、プレイ・スカルプチャー、子育て支援と中心市街地活性化施設をコンセプトとし、保育園や子ども図書館、カフェ・レストランなどを整備する。整備手法としてはPPP・PFI事業も視野に入れ、耐震補強なども含めて総工費約15億円を想定する。
もう一方の団体は、坂倉準三氏を記念した日本で唯一の建築専門ミュージアム「建築家・坂倉準三記念〜はしま建築ミュージアム」を提案。建築関連の企画展フロア、シンポジウム、大型展示スペース、レストランなどを整備する。耐震補強も含め概算費用は数億円と見込んでおり、資金調達はクラウドファンディングも視野に入れる。
旧庁舎の規模は、鉄筋コンクリート造5階建て延べ4625平方b。1959年の竣工。耐震改修は未実施で、16年度の耐震診断では旧本庁舎最小IS値0・245、望楼部分0・23と診断されている。
提供:建通新聞社