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建通新聞社(神奈川)
2022/11/01

【神奈川】県企業庁 箱根地区水道3期で市場調査

 神奈川県企業庁は、水道事業運営に係る業務と管路・水道施設の工事などを一括して民間事業者に「包括委託」している箱根地区水道事業について、2024年4月以降の第3期も同様に包括委託を予定するため、「箱根地区水道事業包括委託(第3期)」の実施主体となる意向がある法人または法人グループを対象としたサウンディング型市場調査を行う。11月9日まで申し込みを受け付け、11月15、16、18、21日に対面またはオンラインで実施する。合わせて事業者の募集要項案、要求水準書案も公表。これまで5年間だった契約期間を10年間に延長、施設更新に係る工事計画案を受注者が作成することなどを対象業務とし、5月に公募型プロポーザル方式で民間事業者の募集を開始する考えだ。
 サウンディングでは、同事業についての関心や参加意欲、業務範囲や事業期間、事業者選定の公募要件で障壁となる内容、リスク分担、物価変動、災害対応などについて参加者に意見を求める。サウンディングへの参加実績が入札参加条件や事業者公募の評価対象にはならない。結果は12月中に公表する。

〜「公民連携かながわモデル」第3期で本格運用へ〜

 県企業庁では第1期(14〜18年度)、第2期(19〜23年度)を通じ老朽管の更新などハード面を含む水道営業所業務のほぼ全てを民間企業が担い、サービス水準を維持しながら安定的に水道事業を運営できることを確認。その成果として構築した「公民連携かながわモデル」を第3期で本格運用する。
 第3期では、箱根町の仙石原、強羅、木賀(字木賀、新田、川向に限る)、元箱根(字旧札場、三右エ門平、禅月山、神宮山に限る)の給水区域を対象とし、給水戸数は4326戸、給水人口は5066人(21年3月末現在、箱根町人口の約47%)。年間使用水量(20年度)は200万6475立方b、計画1日最大給水量は2万立方b。区域内には水源施設、ポンプ施設(揚水ポンプ、取水・送水ポンプ)、配水池がある。
 包括委託の対象業務は@管理業務(庁舎管理、関係機関との連絡調整、営業時間外業務など)A運営業務(窓口、料金等徴収、量水器点検、未納整理業務、検満・故障量水器取替など)B施設関連業務(運転監視制御、水質管理、維持管理)C施設更新計画など原案作成提案業務・工事など業務D危機管理業務(災害時対応、災害対策訓練など)Eその他業務(立入検査対応、箱根温泉原水供給、標準業務フローの適宜修正とそれを活用した業務改善など)―とする。事業期間は、事業契約締結の日から34年3月31日までの10年間。

〜事業者は23年10月に決定〜

 事業者選定への応募参加資格要件として、神奈川県内に本店、支店または営業所がある者で、浄水場・水源・ポンプ所・配水池などの運転監視制御業務の実施を担う者は日本国内で水道事業者または水道用水供給事業者が発注する浄水場の運転管理業務を受託した実績があり、かつ当該業務の経験年数が3年以上ある者などを想定する。
 スケジュール案によると、23年6月に参加資格確認申請書、8月に提案書を受け付ける。10月に事業者選定審査会で提案書を評価し、事業者を決める。23年内には基本協定、基本契約を結び、24年4月に実施契約を締結して第3期包括委託をスタートする。 提供:建通新聞社