2022年度北陸地方治水大会が27日、新潟市中央区の新潟グランドホテルで開かれた。物価や人件費の高騰による影響も配慮の上、22年度補正予算および23年度当初予算で昨年度を上回る大幅な増額を図ることなどを国会や政府に強く要望することを確認した。
大会には新潟、富山、石川、長野、福島の5県から治水行政関係者ら約180人が出席。冒頭、大会実行委員長の田村正幸湯沢町長が「国土を保全して水害等から国民の生命財産を守り、安全な生活を確保する治水事業の役割は重要。今後とも関係機関との協力と着実な推進が不可欠」とあいさつ。また、佐久間豊副知事(知事代理)、脇雅史全国治水期成同盟会連合会長、朝妻博副市長(新潟市長代理)があいさつに立ち、来賓として内藤正彦北陸地方整備局長、小島隆県議会議長が祝辞を述べた。
引き続き、林正道国土交通省水管理・国土保全局治水課長と安達孝実北陸地方整備局河川部長が全国および北陸管内の治水事業の現状を説明したほか、藤下真悟新潟市土木部土木総務課企画班係長と十河浩燕市総務部危機管理監が意見発表を行った。
最後に、気候変動による影響を反映した治水計画の見直しに加え、国や流域自治体、企業・住民等あらゆる関係者が協働して取り組む「流域治水」の実効性を高め、強力に推進することなど決議し閉会した。
なお、大会開催に先立ち、信濃川大河津資料館コーディネーターの樋口勲氏が「大河津分水と流域治水」を演題に講演。大河津分水が通水100周年を迎え、人々と川との向き合い方はどのように変わったのかなどを時代の流れに沿って解説した。