冨士土建(鯖江市水落町)の三崎善彦さんが、2022年度の優秀施工者国土交通大臣顕彰に輝いた。
優秀な技術と技能を有し、後進の指導と育成にも多大な貢献をした、と称えられた。
受賞の報に「会社や仲間に支えられたからこそ長年やってこられた」と感謝し、頑張ってきた甲斐があったと喜んだ。
武生工業高校(現・武生商工高校)を卒業後、同社に入社。20代の前半から頭角を現し、土木建設、河川工事、橋梁補修など現場監督としてひと通りの業務を任された。
「最初は、どのように仕事に取り掛かるかも分からなかったが、徐々に経験を積んで技術を習得した」とこれまでの道のりを語る。
キャリアを磨き、今年で勤続42年を迎える。業務の中で、難しいと感じたのがコミュニケーションの取り方だった。「年上の人にどう接すればいいかが難しかった」。同僚や2歳年上の城本重博社長に相談したり、励ましを受けたりして乗り越えてきた。
その経験が今の役職で大いに活かされていると笑顔を見せる。
後進を育成し自らも挑戦
現場監督として、工事を指揮する多忙な日々を送る。
19年から20年にかけて担当した、坂井市丸岡町の九頭竜川宇随地区堤防拡幅工事では、三崎さんが初めてICTを活用した事例で、受賞のきっかけにつながった。
「成果表の作成や、一日ごとの出来高がパソコンで簡単に把握できる。現場での作業が簡略化されることは本当に素晴らしい」と感心し、今後もさまざまな分野での活用に挑戦したいと意欲をみせる。
入職した頃に比べ、業界のイメージも大きく変化したと感じている。「若い世代や女性の進出も目立ってきた。ICT化がさらに進んで、より働きやすい環境になればさらに活性化するのでは」と期待を寄せる。
工事部管理部長として、若い世代の指導も行う。「最新技術の操作などを若い人に教えてもらうこともある」と三崎さん。年代を問わずコミュニケーションを大切にすることで、仕事を円滑に進める役割を担いたいと考えている。
みさき・よしひこ
60歳 職種・土工
冨士土建(鯖江市水落町)勤務、鯖江市在住