太建工業(福井市若杉2丁目)の太田浩之さんが、2022年度の優秀施工者国土交通大臣顕彰に輝いた。
優秀な技術と技能を有し、後進の指導と育成にも多大に貢献。数々の実績が高く評価された。
今の気持ちは、「福井県左官工業組合の組合員さまをはじめ、関係者みなさまのお陰」と、心から感謝している。
東京であった顕彰式典の感想は、「職種は様々ですが、全国から同じ専門工事者が一堂に会し、各現場で活躍される姿や思いに触れることができ、感動しました。私も、この仕事(左官工)に改めて誇りや、自信を持ちました」と、とっても嬉しそう。
式後は、福井にとんぼ返り。「お陰さまで、仕事が忙しく、私のぶんまで頑張っている社員のためにも」と思いやり、翌日から普段通り、仕事に戻っている。
今後も技術レベルの高い仕事を
振り返って、常に100%(完璧)を目指し、全力で仕事に当たってきたという。左官を基本に、土木・建築をはじめ、防水や下水(止水・インバート)、防食工事と広げ、多能工の地位を築き上げた。「工種は違っても、考え方は同じ。物事の道理から発想すれば、おのずと解決策が見えてくる」とズバリ。新設から既設補修、困難な現場などまで、経験は豊富。技術と技能の引き出しは多く、「困った時の太建(たいけん)さん」と、声をいただけるようになった。強みは「左官技術で様々な要求に答えられる点」と強調。技術の関連性や、積み重ねの重要性を経験的に話す。
若手の育成に対しても余念ない。「レベルの高い仕事には資格と知識が必要。どんどん取得してもらい、手当もなんとか」等と。「大きな失敗はいけないが、小さな失敗は恐れず、やってみろ」と普段から経験を積ませ、やる気を引き出している。
経営者としてもマスターで、会社組織を確立。若者が求める新3K(給与、休暇、希望)に沿い「当たり前のことを、やるようにしているだけ」で、「時代の流れに乗るには必要」と力を込める。32歳から経営を引き継ぎ、会社を引っ張ってきた、自負心がみなぎった。
今後も、「技術レベルの高い仕事を続けたい。県外の依頼にも可能な限り応えていく。そのためにも、時間や人数には余裕が必要」と、経営者の顔をのぞかせた。
おおた・ひろゆき
62歳 職種・左官工
太建工業(福井市若杉2丁目)の代表取締役社長