日本工業経済新聞社(群馬)
2022/10/25
【群馬】伊勢崎市が隣保館が建て替えの方針で検討
伊勢崎市は旧耐震基準で建設された隣保館(山王町1442−1)について、建て替える方向で調整を進めている。2022年度は既存施設のアスベストの含有調査を行っており、順調に進めば23年度に新施設の実施設計を委託。24年度に新築工事および既存施設の解体工事を計画している。新施設は現地の運動スペースに建設する方針で、規模など詳細な内容はこれからの検討事項となっている。
隣保館は福祉の向上や人権啓発を目的に、1976年に建設した。RC造2階建て、延べ床面積266・98u。89年に1階部分でS造72・92uを増築している。1階には事務所や会議室を設置。2階に和室と調理室が備わっている。
旧耐震基準で建設された施設となっているため、耐震補強または建て替えの対応が必須。また、高齢者の利用率が高いため、多目的トイレの設置などバリアフリー化も求められる。加えて、階段踊り場に雨漏りが生じるなど、建物の劣化も深刻な状況となっている。
これらの課題を解決するために、2020年度にまとめた市民部所管の個別施設計画では、大規模改修工事を掲げた。その後、対策費用などを考慮して検討を重ねた結果、建て替えを行う方向に転換。建設地は敷地内の運動スペースを活用する考え。新施設には、既存施設と同じ機能を導入することになりそう。詳しい整備内容については設計業務の中で検討することになる。
22年度に既存施設の解体に向けて、アスベスト調査を環境衛生試験センター(前橋市)へ委託した。建材の一部に含有が確認されている。
第2次伊勢崎市総合計画の後期基本計画における実施計画事業によると、23年度に新築設計と地質調査業務を掲げる。24年度に新築工事と既存施設の解体、駐車場および外構工事を実施するとしている。
これらのスケジュールは順調に進んだ場合のものとなっており、予算状況などによっては、先送りになる可能性もある。活用できる交付金などを考慮しつつ、早期の事業完了を目指して進捗する。