名古屋市住宅都市局は、名駅南地区のまちづくり方針策定に着手する。同地区で都市計画道路笹島線(東側区間)の整備や、名古屋高速の新洲崎出入口の事業が展開されている他、地下鉄東山線の柳橋新駅設置の要望があることなどを踏まえ、エリアとして土地利用転換が必要な時期を迎えていると判断、まちづくり誘導の行政計画を策定していくことにした。2023年度中の策定、24年度の公表を目指す。
今回対象となる「名駅南」地区は、北側が錦通、東側がおおむね名駅通、西側が堀川、南側が大須通に囲まれたエリア=図=。北側で名古屋駅東側周辺地区に隣接しており、リニア中央新幹線の開業後を見据えて名駅南の将来像などをまちづくり方針の中で示す。
まちづくり方針の策定に向けて、懇談会を10月24日に設置。座長には名古屋学院大学の井澤知旦教授が就任した。今後、22〜23年度に6回の懇談会を予定。現状と課題の他、名駅南周辺のまちづくりの動向、将来像、将来像の実現に向けた施策などで意見を交換する。23年11月にも方針素案、24年2月に方針案をまとめ、23年度中に方針を策定。24年度に方針を公表するスケジュールを想定している。懇談会には井澤教授の他、愛知大学三遠南信地域連携研究センターの内山志保研究助教、地元、UR都市機構、行政が参加している。
名駅南のまちづくりについては、名駅南地区まちづくり協議会が18年に、「名駅南地区まちづくりビジョン」をまとめた。三蔵通など沿道空間の賑わい創出やウオーカブルな空間づくりといった、住みやすい、働きやすいまちを目指す方向性を打ち出している。
現状の名駅南地区は、名古屋駅に近接するとともに、ささしまライブ24地区、納屋橋など地区間の連携に重要な位置にある。その一方で、駐車場など低未利用地が都心部平均より高く、使用容積率の低い街区が多いなど土地の有効活用・高度活用が十分に図られていないなどの課題がある。また、人口・世帯数が増加しており、公共施設整備・改善による都市基盤の強化、生活利便施設の導入、地区内にある祢宜公園の利用用途転換、にぎわい創出などが必要とみている。
提供:建通新聞社