県県土整備部は21日、「総合スポーツセンター体育館建築工事基本設計」の簡易公募型プロポーザルを公告した。委託料については、当初予算に2023年度までを期間とする限度額6700万円の債務負担行為を設定した。委託期間は、契約日の翌日から23年12月15日までの予定。基本設計後は、23年度から24年度にかけて実施設計を取りまとめ、25〜28年度の4か年で工事を進め、28年度の供用開始を目指す。実施設計委託については、基本設計受託者と特命随意契約を締結する見込み。工事に関しては、工種に応じた分離発注を検討する。事業費約117億円、解体を除く総工事費約100億円を概算している。
総合スポーツセンターは、千葉市稲毛区天台町312ほかに所在。敷地面積約43haで、このうち体育館整備予定地は約3・1ha。
現体育館は、RC造2階建て、延べ床面積7774・98u、観客席(固定椅子)3104席、1972年7月の建築。指定管理者は、千葉県スポーツ協会・まちづくり公社グループ。
天井高21m、直径50mの円型競技場となっており、施設内容は第1競技場1962・5u(バスケットボール2面、バレーボール2面、バドミントン8面、ハンドボール1面、卓球18面、体操競技)、第2競技場798u(バスケットボール1面、バレーボール1面、バドミントン4面、卓球6面、体操競技)、会議室、役員室、医務室、男女ロッカー室など。競技場床はサクラ(カバ)笠倉式。暖房装置(故障中)、競技用電光掲示板2組(故障中)、一般放送用拡声装置、非常用放送設備を備えている。
体育館周辺の駐車場は、大型22台、普通車41台、障害者用2台。
県におけるスポーツ拠点として重要な役割を果たしていたが、令和元年房総半島台風により屋根材の一部が飛散したことを受け、利用を中止。また、経年劣化による老朽化の進行や建物の一部の耐震性不足が課題となっている。
そこで、現地建て替えにより老朽化対応および耐震性確保とともに、大規模大会が実施可能な競技スペースの確保や利便性の向上を図る。
新たな体育館は「ジュニアからシニアまでの全ての年代の競技スポーツ一大拠点」をコンセプトに掲げ、「さまざまな大会が開催され競技スポーツの開催拠点となる体育館」「県民が日常的にスポーツ活動や健康づくりに親しむことができる体育館」「スポーツ選手・指導者の強化・育成拠点となる体育館」を実現する。
主な想定競技種目は、バスケットボール、バレーボール、体操競技、バドミントン、卓球、ハンドボール、車いすバスケットボールなどパラスポーツ。
建物は、2階または3階建て、延べ床面積約1万1000u、2階固定席2500席程度(うち車いす用25席程度)の計画。構造については、基本設計段階においてS造、RC造、SRC造などから選定する。
メインアリーナは、有効寸法91m×46m(面積4186u)程度、天井高14m以上とする。バスケットボールやバレーボールの公式コート4面分を確保し、電動間仕切りにより1面ごとに分割して利用できるよう検討する。また、大型映像装置と十分な広さの器具庫を設置する。
メインアリーナのほか、エントランスホール、会議室兼審判控え室、大会本部席・放送室、医務室、更衣室、トイレ、エレベーター、管理関係諸室、その他共用スペース、電気室・発電機室、駐車場、外構を整備する。
プロポーザルにおいては、配置計画、施設特性を考慮した建築計画、環境配慮および持続可能性を課題とし、コンセプトにふさわしい施設の整備を行うための提案を求める。
プロポーザルの参加資格は、県の建設工事等入札参加業者資格者名簿の「建築関係建設コンサルタント業務」に登載されている一級建築士事務所であることなど。また、管理技術者および主任担当技術者に対し、必要な資格の保有や実績などを求めている。
今後は、11月4日まで参加表明書の提出を受け付け、11月7日〜12月20日に技術提案書の提出を求める。技術提案書提出者が6者を超えた場合には2023年1月12日に選定委員会を開催し、面接者6者を選出。2月6日の選定委員会で面接を実施し、15日ごろに特定・非特定通知書を送付する予定。
解体設計業務/23年度に委託
当初予算では、基本設計の債務負担行為を設定したほか、解体設計・測量調査委託料2500万円を措置した。
測量調査委託に関しては、9月7日開札の指名競争入札において空間情報サービスが561万円で落札。23年1月の完了予定。
解体設計委託については、解体範囲を見極めるため、23年度に先送りする方針。23年2月補正予算で委託料を減額し、23年度当初予算に再計上する予定だ。