福井県建設業協会は福井市で19日、業界で働く女性と、建設青年委員会が、働きやすい環境やキャリア形成について意見を交換する「けんせつ女子会vol3」を開催した。県内の建設会社で事務や技術などで従事する女性25人、同協会に所属する経営者や役員などで構成する、建設青年委員会から6人の計31人が参加した。
主催した同委員会の委員長・辻広昌平さんは「今年で3回目となる今回は、働く女性の思いを知る機会にしたい」と挨拶。併せて今年5月に開催した「はたらくくるまジュラシックパークin2022今庄365スキー場」の様子など、委員会の活動について紹介した。
今後は、建設業について広く知ってもらうため、県内の中学校に建設業界の仕事を伝える授業も行う予定といい「さまざまな場面で女性にも活躍してもらいたい」と期待を寄せた。
現状を伝え、理想の働き方を目指す
ディスカッションでは「働きやすい会社、働きやすい業界ってどんな所?」「現状は?」「何からスタートすればよい?」との3つのテーマに基づき、付箋に意見を書き込んで、テーマに当てはめ意見を出し合った。
現状について、もっとも多かったのが「休みが少ない」ことで、休暇を取りやすい制度の導入が求められた。
あわら市・杉田組の木村昌智子さんから「掃除は女性だけでなく各自でやればよいのでは」との意見にうなずく場面もあり、女性の負担が多いことも指摘された。
これらの意見を受けた副委員長の道端健太さんは「女性の気持ちに沿い、課題を解決するには女性管理職の起用が必要」と話し、今後さらに委員会でも協議していくことを伝えた。
多彩な取り組みを紹介
会場では5人の女性と1〜2人の会員がテーブルを囲んだ。進行役の京都サンダー企画部部長の田辺直子さんが「女性が秘める可能性には伸びしろがある」と話し、日頃感じている課題や本音を語り合い、業界のしくみを整えるきっかけになるようにと願いを語った。
長野県建設業協会女性部会の副部長の倉科理絵さんをゲストに迎え、オンラインでも交流。セミナーの開催や、ホームページも立ち上げたことなどが紹介された。「交流を通じて情報交換ができ、業務の生産性が上がった」と倉科さん。
田辺さんの講演では、業務の効率化などを図る建設ディレクターとして活躍する女性たちの取り組みが紹介された。
女性上司から勧められて参加した敦賀市・日本ピーエスの阪田遥さんは「紹介事例と自分の業務が同じだった」といい、仕事に意欲が湧いたと喜びを見せた。