高崎建設の宮越悟さんが2022年度優秀施工者国土交通大臣顕彰(建設マスター)に輝いた。優秀な技能・技術に加え、後進の指導や育成への多大な貢献などが評価された。
20年度に福井県の「優秀建設現場施工者」に選ばれ、21年度には、現場代理人兼主任技術者として携わった「道路改良工事31―02―12―02(福井市獺ケ口町)」が「優良工事等事業者(優良賞)」を受賞。今回の建設マスターで3年連続の快挙なだけに、「非常に驚いた」と率直な感想を明かす。
福井工業大学の工学専修科を卒業後、20歳で高崎建設に入社。思い出深い現場には、最初に携わった東海北陸自動車道の橋脚工事(元請け=鹿島)を挙げる。「下請けとして岐阜県の現場に入ったが、施工した橋脚の高さは120メートルで、当時は日本一。何もないところに道をつくっていく、地図に残るようなスケールの大きな仕事だった。入社したばかりで何も分からず一から教えてもらったが、すべてが初めての経験で面白かった」と振り返る。
最初の工事で建設業の醍醐味に触れ、以来、現場一筋。県内外で数多くの現場を経験し、現在は工事部次長を務める。関わった現場の半分近くは、集水井や抑止杭などの地すべり対策工事。会社としては比較的実績の少ない分野だったが、コンサルや社外の専門家にも教えを乞いながら、実績を積み重ねてきた。「やっぱり難しい工事の方が印象深い。どうしたらいいのか分からないところから始めて、いろんな人に聞きながら施工するので」と楽しそうに話す。
施工にあたって特に注意する点は、「安全管理と、発注者の希望に沿えるものをつくり上げること」。今回の受賞を機に、「ICTなど新たな技術に対応できる力をつけ、新しいこともどんどん取り入れたい」と、さらなる研鑽を誓う。併せて技術の継承にも意欲を見せ、起工測量の技術を高めることの重要性を指摘。「事前の準備が大切。安全管理や測量をどうすればいいのか、若い後輩たちにしっかり伝えていきたい」と力を込める。
みやごし・さとる
47歳 職種・土工 高崎建設(福井市境寺町1―1)勤務 福井市在住