轟建設(福井市勝見3丁目)の井上雅弘さんが、2022年度の優秀施工者国土交通大臣顕彰に輝いた。
優秀な技術と技能を有し、後進の指導と育成にも多大な貢献をした、と称えられた。
受賞の報に「今までやってきたことが認められた思い」と喜びを表すなど、感謝の気持ちでいっぱいだ。
大学で土木を学び、轟建設に入社した。以来、この道ひと筋に歩んで36年。振り返って「あっという間」と充実感に溢れる。
建設現場は「日々変化し、そこが面白い」と魅力を話す。「進行により条件が変わり、やり方をアレンジしていく」など対応力が求められる。
現場監督とは「人を動かす仕事で、自分の思いを、しっかり伝えることが必要」とズバリ。思った通りに完成した時には、やり甲斐を感じると言う。
皆で相談、リーダーシップ発揮
現在は、北陸環境サービスが福井市白滝町で進める建設工事に携わり、清水建設のもとで、覆土工に取り組む。
「上り坂の勾配が厳しい現場で、オペレーターをはじめ、施工関係者の皆さんで相談し合い、現場に応じた対策を生み出すことができた」等々。(想定外を含め)課題の克服にむけて日々、現場代理人として、リーダーシップを発揮している。
また、若者に向けては、「ぜひ土木の世界に興味を持って欲しい。我慢は今どき、はやらないが、ある程度は、昔も今も変わらない。(我慢を受け入れつつ)克服した後には、必ず達成感が待っている」と、静かな口調で言う。
仕事に対する抱負は、「(難局にあっても)あきらめずに継続をしたい」と、言葉少なながら、一言ひとこと力強く、方向性を示した。
新たに習熟したい技術や技能については、「現場がますますICT化に向かい、どんどん変わっていく。それらにも、しっかし対応できるように」と明快に。基本は、これまでに培う技術や技能を生かしつつ、それにプラスしていく考え。
今後も、技術者として、誇りやプライドを常に持ち、全力で当たる構え。「無事に完成するまでは、(休日と言えども)集中力を持続させて、仕事に臨みたい」と、人一倍に強い責任感をみせている。
いのうえ・まさひろ
59歳 職種・土工 工事部の工事所長 轟建設(福井市勝見3丁目)勤務