全国港湾知事協議会と国土交通省の意見交換会が東京都千代田区の全国町村会館2階ホールを本部として開かれた。熊谷俊人知事は県庁本庁舎5階特別会議室においてオンラインで参加し、千葉港海岸船橋地区における海岸保全施設の整備促進、千葉港千葉中央地区の埠頭再編の推進、銚子市沖洋上風力発電事業に係る名洗港の整備促進について要望。名洗港の整備に関しては「いよいよ銚子市沖で洋上風力発電の整備が進んでいくが、発電事業者が発電施設のメンテナンスの拠点として名洗港を利用する意向。2028年9月の運転開始に対応するため、早急に整備する必要がある」として、必要な予算の確保をはじめとする格別の支援を求めた。
千葉港海岸船橋地区における海岸保全施設の整備については、22年度の新規直轄事業化に謝意を表した上で「ゼロメートル地帯を抱える船橋地区は、すぐ背後に人口密集地帯を抱え、市役所・消防本部などの防災施設、国道・駅などの交通インフラが混在している。高潮による被害を受けた場合、市民生活に甚大な影響を及ぼす。同地区の水門、排水機場、護岸は建設から50年以上が経過し、老朽化が著しく、耐震性の確保が必要な状況」との見解を示し、直轄事業区間の早期施設整備と、県施行区間における水門・排水機場・護岸の整備に必要な予算の確保を求めた。
千葉港千葉中央地区の埠頭再編については「千葉中央地区が抱えている貨物の混在、ヤード不足などの課題に対応するため、港湾計画を改訂し、埠頭の再編事業を実施している」と述べ、20年度に直轄事業として着手された出州埠頭D岸壁および千葉中央防波堤の早期整備と、大規模で高度な技術を必要とする大水深岸壁などの施設整備の直轄による早期事業化を要望した。
千葉県を含む12県の知事と15府県の副知事による意見発表に先立ち、湯ア英彦会長(広島県知事)、清水真人国土交通大臣政務官、来賓の大口善コ公明党海事・港湾振興議員懇話会副会長があいさつに立ったほか、「港湾の整備・振興に関する要望書」を、湯ア会長が大口副会長に手渡した。また、意見発表後を受け、堀田治・国土交通省港湾局長が応答し、閉会に至った。