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北陸工業新聞社
2022/10/18

【福井】優秀施工者国土交通大臣顕彰/日光産業の建設マスター/受賞/工事通じて地域貢献/「ありがとう」の声に喜び実感/小寺幹夫さん/仕事楽しむ空気づくりを

 日光産業の小寺幹夫さんが、2022年度優秀施工者国土交通大臣顕彰(建設マスター)に輝いた。優秀な技能・技術、後進の指導や育成への多大な貢献が評価された。
 小寺さんは今回の受賞について「普段の業務が評価されたということで非常に光栄。ただ、どれほどの賞なのか、まだピンときていない」と正直な感想を述べる。
 しかし、新聞に受賞者として名前が載った後、母親をはじめ同業他社の技術者等から、たくさんのメールやLINEが届いたとのことで「反響の大きさに驚いている」と話し、徐々に実感が湧いてきた様子。
 これまでで印象深い現場としては、まず、えちぜん鉄道勝山永平寺線小舟渡駅周辺の土砂崩れの復旧工事を挙げる。21年3月に起こったこの土砂崩れでは、えち鉄勝山永平寺線が通る南側の斜面が崩落を防ぐのり枠ごと崩れた。県道藤巻下荒井線が土砂に埋もれ、地域住民に多大な影響を及ぼされる中、予定よりも早く工事を完成。「仕事を通じて地域に貢献できた。そういう仕事をさせてもらえて、ありがたかった」と振り返る。
 このほか、国道305号の豪雨災害復旧工事では「バスほどの大きさの岩が道を塞いでいた」と、当時を思い出し苦笑い。その中で懸命に工事を続け「作業中に地元の人から『ありがとう』と声をかけられ、涙が出るほどうれしかった」と話し、公共工事は騒音の問題など、迷惑に思われることも多いとした上で「地元の人が喜んでくれることが実感できた」とやりがいを述べる。
 現場の第一線で活躍すると同時に、若手を指導する立場にある。「建設業にとって、技術者の高齢化は1番の課題。若い世代の育成は急務で、そのためには3Kから脱却し、いかに働きやすい環境を整えるかが大切」と指摘。
 現在、国土交通省では「ICTの全面的な活用(ICT土工)」等の施策を建設現場に導入し、生産性向上、魅力ある建設現場を目指すi−constructionを進めている。そのような業界全体の流れを汲み、情報化施工について自分のものとした上で「若手にも、しっかりと継承していきたい」と強調する。
 また、実際に若手社員らと接する中で「仕事で苦しむのではなく、仕事を楽しみたいとの考えが強い」と実感。休日の確保や安定した賃金はもちろんだが、仕事を楽しむ空気づくりが何より重要とし、後進の育成へ意欲を示す。

こでら・みきお
51歳 職種・土工 日光産業(福井市)常務取締役兼工事総括本部長

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