鹿児島市立病院の施設再整備に向けた基本設計の公募型プロポーザルに関して、業務候補者に久米設計・衞藤中山設計JVを特定したことが最終結果の通知予定日だった6日、明らかになった。10月中に契約を結ぶ見込み。増築棟(想定階層5階、約7200u)の新設などを目指し、2023年5月末までに詳細をまとめる。
プロポは2、3者によるJV結成を要件に公告。代表企業に元請けで300床以上の施設新築・改築や免震建物に関する設計の実績ほか、構成員は市内に本店のある者を求めた。8月末で1次審査を行い、5日に当初計画通りプレゼンテーション・ヒアリングを実施。参加表明や2次審査進出の業者数、業者名は非公表としている。
病院の所在地は上荒田町37−1。本棟周辺(南側)が建設予定地となり、新型コロナを踏まえた感染症対策の強化などを目的としている。1階がピロティ型とする感染症専用の出入口、3階にICU、4階に専門の外来や病床を備える構想があるほか、既存棟とは2、3階部で接続する。
業務では、増築棟の新設後に行う既存棟改修(対象3100u程度)の詳細をまとめる。患者数・手術件数の増加による各所の混雑や医局等のスペース不足解消を見据え、機能移転する空間で新たな手術室やベッド搬送可能な検査室の設置、MFICU増床などを計画している。
23年度に実施設計を進める予定だが、基本設計の業務者と随意契約を締結するかは未定。24年度から各種整備を具現化し、増築棟が25年度竣工、既存棟改修は26年度完了を目指す。概算で64億円規模の総事業費を見込み、増築棟・本棟改修の工事費は約54億円としている。