高松市の大西秀人市長は、高松城の天守再現について「天守の再現は本市の歴史を後世に伝える意義のある事業。市の活性化を図る上でもさまざまな波及効果が期待でき、再現に向けた取り組みを着実に進めたい」との考えを示した。市議会本会議で辻正彦氏(自由民主党議員会)の一般質問に答えた。
大西市長は、「今年5月に完成した桜御門は、高松城が失った重要な建造物で77年ぶりに復元した。市が初めて歴史的建造物の再現に取り組み、江戸時代の高松城の景観を現代によみがえらせ、改めて同建造物の再現の意義を認識している」と述べ、その上で「史跡復元計画に基づく高松城の再現は市民が歴史の誇りを取り戻し、新たに創造し内外にアピールする大切な作業。2018年に市民によるNPOから天守復元10万人署名が提出され、多くの市民が天守復元を期待している。今年7月には市商工会議所でこれまでの再現に関わる取り組みを説明し、玉藻公園指定管理者が作成した映画に私自身が出演して復元に向けた気運の醸成に努めてきた」と説明。さらに、「20年度に文化庁が新たな基準を示し、学術的な調査を尽くしても史料が十分に揃わない場合、多角的に検証し再現する復元的整備が認められることとなった。21年度に史跡高松城跡保存活用計画を策定し、文化庁の認定を受ける作業を進めている。同計画の中で遺跡の保存と天守の安全性の確保の両立などの課題を取りまとめている」と答えた。
提供:建通新聞社