金沢市は、6日に開かれた市議会総務常任委員会で、昨年度に起きた官製談合事件を受けて今年度に試行導入した変動型最低制限価格制度の上半期の状況を報告した。ランダム係数を使用した同価格の設定により、くじ引きで落札者が決まるケースが大幅に減少したとしている。
同価格が適用された9月末までの開札件数は457件。このうち、くじ引きで落札者が決まったのは24件で、前年度同期の175件と比べ86%減の大幅減となった。一方で、価格が上振れしたことで失格したのは1267者で、前年度同期の738者と比べ72%も増加した。
「0・9990〜1・0010」の間の「0・0001」刻みのランダム係数の分布状況は、1未満が46%、1が6%、1超が48%となり、市側は「偏りがない状況」と分析。価格が変動した結果、落札となったと推察されるのは2件、不調となったと推察されるのは6件とした。市側は「制度の本格導入に向け、引き続き開札結果を検証していく」と説明した。
このほか、上半期の平均落札率についても報告。工事は前年度同期比1・17%増の92・23%、委託は同1・06%減の89・65%。最低制限価格での落札工事は435件中37件の8・5%となり、前年度同期の46・2%と比べ大きく減少した。