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建通新聞社(静岡)
2022/10/07

【静岡】資材価格の高騰 実態調査年3回実施も

 静岡県は、建設資材の価格高騰に対応するため、2022年度中に積算単価の3回目の価格実態調査の実施を検討している。県発注工事の積算単価には、毎月発行される物価資料(建設物価、積算資料)を反映しているが、物価資料にない単価には県独自の実態調査が必要。すでに県は、例年10月の2回目の単価改定を8月に前倒ししており、価格上昇の動向を踏まえ、22年度3回目の価格実態調査を行うか判断する。
 建設物価(静岡地区)で建設資材価格の変動を見ると、最新の22年9月時点の単価は、19年2月と比べ軽油(現場直接給油)で17・2%、生コンクリート(18‐18‐25‐N)で20・8%、鉄筋(異形D13 SD295)で62・8%、それぞれ上昇している。
 特に、ロシアがウクライナに侵攻した今年2月以降、鋼材やコンクリートなど主要建設資材の上昇が続いている。
 この間、県は資材価格の上昇に伴う費用の発注者負担を基本とし、積算単価への市況の反映やスライド条項の運用ルール見直しといった対策を講じている。
 県が発注する土木工事の積算単価は、毎月発行される物価資料に掲載される市場単価を年4回(4月、7月、10月、1月)、市場単価以外の資材価格を毎月改定する。物価資料に掲載されない資材価格や地区別の生コンなどの価格は、県が価格実態調査の結果を踏まえ、原則年2回決定する。
 今年2月以降の大幅な価格変動を踏まえ、県は例年9月に行う価格実態調査を7月に前倒しで実施。この調査結果を踏まえ、8月に2回目の価格改定を済ませた。資材価格の上昇に歯止めがかからない現状を踏まえ、22年度3回目の価格実態調査の実施を検討する。
 契約前の積算単価だけでなく、契約後の単価上昇にもスライド条項で対応する。国土交通省が単品スライド条項の運用を見直したことを受け、県の運用も変更。7月から実際の購入価格が購入した月の物価資料より高くても、実際の購入価格を採用してスライド条項を適用できるようにした。この見直しに合わせ、9月には県のスライド条項のマニュアルも改善した。