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建通新聞社(静岡)
2022/10/05

【静岡】台風15号被害 災害復旧に人手を集中

 静岡県内の広域に被害をもたらした台風15号に伴う大雨の発生から5日で12日がたった。生活・ライフラインに障害のある孤立集落はおおむね解消し、静岡市清水区内の断水もきょう5日までに解消する見通しだ。静岡県は、中部地区、西部地区の広範囲に被害が出たインフラの応急復旧に早期にめどを付け、本格的な復旧工事へと移行したい考えで、今後、限られた受発注者の人手を災害査定や本復旧へと集中させる。
 台風15号は、9月23日〜24日に静岡市内の24時間降水量が400_を超えるなど、県内に記録的な大雨をもたらした。土砂崩れなどによる道路の被災箇所は県管理だけでも14路線42カ所(10月3日時点)、河川の欠損は79河川268カ所(9月30日時点)に上る。
 島田市の採石場跡地から土砂が流出した国道473号と大井川鉄道は、現在も土砂の撤去作業が進んでいるが、専門家は全面復旧までに数か月が必要とみている。
 断水や通行止めなどの事態は解消に向かっているものの、受発注者双方に人手が足りていない。広域にわたる被害の復旧を急ぐため、県は土木事務所・農林事務所に契約済みの工事・業務に一時中止措置を適用するよう求めている。
 通常事業の一時中止によって、災害復旧に必要な資機材の調達、技術者の確保など、企業の物的・人的な資源を優先度の高い災害復旧に集中させる。一時中止は、災害によって現場が被災し、施工の継続が困難な工事にも適用できる。
 調査・設計業務にも一時中止を適用し、県の業務を受注している建設コンサルタントや測量業者を査定設計書の作成作業に振り向ける。査定設計で復旧工事の概算費用を算出しないと、国土交通省や財務省の災害査定を受けられず、国庫補助金の交付決定を受けることができないためだ。
 被災箇所が多く、被災状況の把握が遅れている市町の災害復旧を支援するため、きょう5日には、「ふじのくに災害復旧支援隊」として県職員4人を静岡市と川根本町に派遣する。県発注工事の一時中止によって、県発注工事の受注者にも市町発注の災害復旧工事を優先的に進めてもらう。