京都市の門川大作市長は3日、9月市会の代表質問で都市計画見直し、企業誘致について答弁した。
都市計画マスタープラン策定後の施策展開について、門川市長は「保全・再生・創造の理念の下、まちづくりを進めてきたことにより、京都の都市格は飛躍的に向上し、国内外から高い評価をいただいている。一方で、ともすれば全市的に保全重視の印象を与えている面もある。また若者、子育て層の減少やオフィス空間の不足等の課題への対応が強く求められている。こうしたことから、京都の景観の守るべき骨格は堅持しつつ、伸びしろを作り出すという観点から、精緻なデータを用いて精査した結果、京都駅南部やらくなん進都、西部工業地域、東部の外環状線沿道、(向日市、宇治市との)市境エリアなどにおける駅周辺エリアについて、未来志向で戦略的な思い切った都市計画の見直しを行うこととした」「また東山区の地域全体については有識者会議の答申を受け、人口減少などの地域が抱える課題に立ち向かい、活力を高める観点から、地域ごとのビジョンを明確にしつつ、地区計画や特例許可など多様な手法を活用してもらえるよう取り組んでいく。このような都市計画の方策はもとより、企業誘致や移住、定住促進など幅広い施策との融合により、成長戦略をスピード感を持って強力に推進していく。これにより、京都に住みたい、学びたい、働きたい、子育てしたい、また京都で新たなビジネスに挑戦したい、拡大したい人や企業をひきつける、より一層魅力的なまちを目指し実行していく」と述べた。
企業誘致の成長戦略について「雇用の創出、京都経済の活性化に貢献するためには企業立地の促進が必要不可欠。京都市の企業立地の課題は、大規模なオフィス空間や産業用地の不足。このため、産業用地の創出に向け、景観政策の骨格は堅持しつつ、思い切った都市計画の見直しを進めている。中小規模のオフィスでも誘致が可能なスタートアップなど成長途上の企業の誘致にも力を入れている。具体的には首都圏等の企業に対し、大学のまち、学生のまち、産学公連携、文化芸術都市、職住近接といった京都の強みの発信に専門的知見を有する外部アドバイザーの協力を得ながら取り組んでいる。あわせて市内初進出やお試し立地への支援制度を今年度新設し、4月以降の半年間で既に合計23件の支援を実施し、多くの企業が進出している。こうした取組に加え、令和5年度には都市計画の見直しや立地支援施策に集中的かつ総合的に取り組む重点エリアを設定し、市内外に効果的に発信していく。更なる立地促進、市内企業の事業拡大も含めて本格化させていく。今後こうした考え方のもとに企業立地促進の基本方針や具体的な取組などを京都市企業立地促進プロジェクトとしてとりまとめ、年内をメドに発表する。引き続き企業立地促進など様々なリーディングチャレンジに注力することで、人と企業に選ばれる都市への成長戦略を推進し、また税収の増加にもつなげたい」と答弁した。