佐倉市は、2023年度に佐倉ふるさと広場のサウンディング型市場調査を実施する方針だ。市場調査では、花・農業・環境をテーマに、見る・体験する・食べる機能を備えた施設の整備について可能性を探る。20年度策定の観光グランドデザイン「観光Wコア構想」に基づき、城下町地区と印旛沼周辺を中心とした観光拠点の形成を目指すため、3月には佐倉ふるさと広場拡張整備基本計画を策定。施設の計画案として、木造平屋建て、床面積1309u。レストラン、カフェ、物販エリアバックヤードなどを設置する方向性を打ち出した。
ふるさと広場は、臼井田2714に所在。敷地面積は約1・4ha。既存敷地の西側約7・2haと東側約1・7haを合わせた約8・9haを拡張し、約10・3haとする計画。
花が開花する4・7・10月の来場者数は多いものの、閑散期には2万人以下の月が大半を占め、年間を通じた集客が課題となっている。
そこで▽フラワーツーリズム=既存の花や植物の活用を強化し、持続可能な管理と環境に優しい施設▽グリーンツーリズム=地産地消や農風景を楽しみ、農のライフスタイルを体感できる機能を持ち、初級者から上級者までが親しめる観光農園▽サイクルツーリズム=城下町地区とつながるルートや幕張〜銚子の広域ルートを充実させるなど、サイクリスト向けの機能強化▽市民のいこい・活躍の場=市民主体のガーデニングや農業体験、また施設監理・運営・サービスの市民参加を促すといった地元主体の仕組みづくり――を整備コンセプトに掲げた。
概算事業費は、建築部分約5億円、拡張エリアのうちガーデン約5億円、拡張エリアのうち駐車場約1・5億円。
収支予測では、1年間に約47万人の利用者の来場により、年間で約4・4億円の売り上げを見込む。
事業スキームについて、既存エリアと拡張エリアの敷地条件が異なるため、整備方針に応じたP―PFI方式やDBO方式、従来方式などの検討が必要とした。また、民間事業者へのヒアリングでは、既存・拡張両エリアの一括した整備が良いとする意見が多数寄せられた一方、運営については一体と分割の双方の利点等が挙げられた。
VFMの算定では、Park―PFI方式と従来方式で財政負担額の比較・削減効果を検討。Park―PFI導入の場合、8226万8000円の削減(削減率12・6%)が見込まれる。
基本計画は、ランドブレインが21年度に策定した。
また、観光グランドデザイン「観光Wコア構想」では、基本理念「歴史の趣き、自然の恵み『となりの観光地・佐倉』〜気軽に、繰り返し、楽しめるまち〜」を掲げた。城下町地区と印旛沼地区を核とした観光拠点整備を整備し、滞在時間を延ばし消費を拡大する取り組みを促進する。
基本構想の策定に伴う調査では、市における課題として▽長時間滞在できる場が必要▽通年訪れたい場が必要▽市民・子どもが集う場が必要▽都市と農村の共生▽市内産業振興▽シティセールス――が上がった。