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北陸工業新聞社
2022/10/03

【富山】建設業界の疑問など解消へ/女子大生と女性技術者が座談会/県建設業協会/「女性でも十分活躍できる」

 富山県建設業協会は9月29日、富山大学都市デザイン学部の女子大学生を対象とした建設現場見学会、女性技術者との座談会を開催した。
 見学会は、北陸地方整備局富山河川国道事務所の協力を得て実施。座談会は建設業界で働くイメージや職場の環境・雰囲気、仕事とプライベートの両立といった普段聞けない疑問について、女子大学生が第一線で活躍する女性技術者と直接、意見交換できる場を提供。疑問などを解消し、参加者同士の交流を深めることで、建設業への興味・関心を高め、入職・定着につなげる目的で開いた。県の受託事業。
 この日は1、2年の女子21人が出席した。一行はまず、富山河川国道事務所の発注で、水新建設が施工している「大沢野富山南道路岩木地区道路改良工事」(富山市惣在寺)の現場を訪問。
 発注者による事業概要の紹介後、水新建設と日立建機の指導の下、ドローンやICT建機を用いた施工方法に理解を深めた。最後に同現場に従事する、水新建設の女性技術者・石川愛さんが働きやすい環境整備が進んでいることを説明。
 富山市五福の富山大学都市デザイン学部の講義室に移動し開いた座談会には、県内建設企業で活躍する女性技術者から▽石黒莉歩(近藤建設)▽石黒万葉(日本海建興)▽高見るみ子(岡部)▽野上梨佳(大高建設)▽安田笑美(安達建設)▽大坂泉美(嶋田建設工業)▽金内璃子(射水工業)▽高島裕子(アルカスコーポレーション)▽新井梨香(中越興業)−の9氏が参加。
 自己紹介後、大坂氏が土木、高島氏が建築に関し仕事内容を紹介。大坂氏は「造った物が形となって残る。女性でも十分に活躍できる業界。週休二日など労働環境の整備も進み、やりがいや達成感、充実感は想像以上」などと伝えた。
 金内氏と石黒万葉氏が、現在の仕事内容と現場管理のポイント、石黒莉歩氏は仕事と家庭の両立に関して説明し、「育休明け1年間は現場監督として勤務したが、今後を考え積算部に異動させてもらった。会社には、休みやすい環境を作ってもらっている。結婚や妊娠を機に建設業を離れる方も多いが、自分の考え方や働き方を変えることで一生涯続けられる仕事」と助言した。野上、安田、高見、新井の4氏が建設業界に入ったきっかけ、今の会社に就職した経緯などを答えた。
 その後、3グループに分かれて意見交換。終了後、各グループの代表学生が議論内容を発表した。意見として、「(建設業に関し)不安だったことが少し軽くなった」、「現場の方とのやり取りが楽しいことを初めて聞き、印象に残った」、「やりがいが聞け、自分も達成感を得たいと思った」、「現場では男女で協力し、適材適所でやっていると聞き、女性であることを気にすることがなくなっていくと感じた」などが挙がった。
 質疑応答では、資格取得に関する質問に各技術者が、「自分の現場を持つには土木、建築とも一級施工管理技士の資格が必要」、「会社で異なるが受講費用、交通費の助成がある」、「資格手当は大きい。早く取得してほしい」と回答。学生時代に勉強すべきことへの質問では、「コミュニケーション能力が一番大事」をはじめ、「建築士などを取得したい人は、学生時代に学科試験を受けるべき」と答えた。

hokuriku