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建通新聞社四国
2022/09/30

【愛媛】県内自治体 業務のダンピング対策、大半が未導入

 公共工事でダンピング対策を強化した中央公共工事契約制度運用連絡協議会(中央公契連)の最新モデル(2022年3月)を導入済みの愛媛県内自治体が7割近くあり、全自治体で低入札調査基準価格・最低制限価格制度を導入済みの一方、業務では大半の自治体でダンピング対策が未導入であることが建通新聞の調査で分かった。その理由に「ダンピングを確認できないこと」を挙げるなど対策の必要性についての理解が不十分であることも分かった。
 調査は愛媛県内自治体のダンピング対策の取り組み状況を把握するため、県も含め全21自治体を対象に8月に実施。工事と業務について現行の契約(入札)方式や総合評価方式・低入札調査基準価格・最低制限価格制度の導入状況、中央公契連モデルの導入状況などについて質問し、全自治体から回答があった。
 調査結果によると、中央公契連の最新モデルを導入している自治体は県、松山市、宇和島市、八幡浜市、大洲市、伊予市、西予市、東温市、久万高原町、松前町、砥部町、伊方町、松野町、鬼北町の14自治体。また今治市、新居浜市、西条市、愛南町の4市町で導入に向けて検討中と回答した他、四国中央市でも近隣市町の導入状況を踏まえ検討とするなど、ほとんどの自治体で最新モデルへ移行の動きが見られた。工事では高い水準でダンピング対策が講じられている状況だ。
 一方、業務については最低制限価格制度を設けているのが県や松山市など4自治体、低入札価格調査制度は県と宇和島市、伊予市の3自治体にとどまっている。総合評価落札方式も全自治体で未導入などダンピング対策に消極的な自治体が目立った。
 業務のダンピング対策未導入について、新居浜市や八幡浜市、大洲市、四国中央市、西予市、東温市など大半の自治体が「低入札を確認できないこと」を理由に挙げた。また西条市のように落札率60%以下の案件であっても「一定の品質確保が確認できるため未導入」とした自治体もあった。
 国交省は8月、測量、建設コンサルタントなど業務4業種でダンピング対策未導入の自治体を集計、公表した。この中で県は香川県に次いで未導入の市町村が多い都道府県となった。業務の品質や適正な利益の確保につながる「ダンピングの発生しない」制度の構築が求められている。
提供:建通新聞社