工事の入札で低入札調査基準価格調査制度を導入していない香川県内の自治体は1市6町、最低制限価格制度を導入していないのは1町のみの一方、業務の入札に両制度を導入しているのは県だけ―。建通新聞社が県と県内17市町の入札契約制度の現状を調査したところ、業務の低入札価格に対する制度が浸透していないことが分かった。
現行の契約(入札)方式、総合評価落札方式や低入札調査基準価格調査制度(低入調査)、最低制限価格制度(最低制限価格)導入の有無、中央公共工事契約制度運用連絡協議会(中央公契連)モデルの導入状況などを調べた。
工事の入札で低入調査を導入していないのは三豊市、土庄町、小豆島町、直島町、綾川町、琴平町、多度津町の1市6町。最低制限価格が未導入は宇多津町の1町のみだった。
業務では県のみが低入調査と最低制限価格を導入しており、市では高松市、丸亀市、坂出市、観音寺市、さぬき市、東かがわ市、三豊市の7市が両制度とも未導入。善通寺市だけが低入調査を導入している。未導入の自治体では「低価格による応札がない」などを理由として挙げている。
町では低入調査を導入している自治体はなく、最低制限価格を導入しているのが土庄町、小豆島町、まんのう町、琴平町の4町となっている。
中央公契連モデルは、工事で最新モデルを導入しているのが、県、高松市、丸亀市、観音寺市、小豆島町、直島町、綾川町、まんのう町、琴平町の9自治体。最新モデルの導入を検討しているが3市1町あり、2町が無回答だった。
業務では無回答の2町を除いて、県と小豆島町、琴平町の3自治体のみが導入している。
中央公契連モデルは、国土交通省が低入札価格調査基準の計算式を改定したことを受けて3月に改正。工事で一般管理費等の算入率を前モデル(19年改正)の55%から68%に引き上げている。
また、2022年度に工事の契約方式を変更したのが、県、高松市、坂出市、善通寺市、土庄町、三木町、まんのう町の7自治体。県は総合評価落札方式の改正、高松市は週休2日モデル工事の試行導入、坂出市は一般競争入札で総合評価落札方式の試行導入などを行っている。
業務では、県が一般競争入札の対象金額と業務範囲を拡大し、三木町が電子入札を導入した。
総合評価落札方式は工事で県と13市町が導入しているが、三豊市、土庄町、綾川町、宇多津町の1市3町が未導入。業務は県、小豆島町、琴平町の3自治体のみが導入していた。
提供:建通新聞社