彦根市は、先ごろ方針を示した小泉町地先の「旧ひこね燦ぱれす」の図書館化に伴う図書館整備基本計画の見直しで、27日に開かれた図書館協議会において図書館の設置場所について3つの案を示した。燦ぱれすを改修した「(仮称)中部館」と現在の彦根市立図書館を改修した「北部館」、今後整備する図書サービス拠点「中央館」の3館に、市南部地域に設けるサービスポイントを加えた「3館体制+サービスポイント」案が比較的、「一定の利便性を維持し財政負担が少ない」との分析も同時に示した。
過年度に策定された彦根市図書館整備基本計画の見直しにあたっては、旧ひこね燦ぱれすの図書館化に伴い「(仮称)新市民体育センター」で計画されていたサービスポイントは廃止し燦ぱれすを「(仮称)中部館」とすること、現彦根市立図書館は「北部館」として活用すること、市中心部に今後整備を計画する図書サービスの拠点となる「中央館」は、21年3月に選定し決定した清崎町地先の用地を建設地とすること、基本計画に盛り込まれている「南部館」を整備する場合は、市稲枝支所周辺からJR稲枝駅西口周辺とすること―が前提条件。
比較的財政負担が少ないとされた「北部館、(仮称)中部館、中央館+サービスポイント」案は、「南部館」を整備せず南部地域をカバーするサービスポイントを設けることで整備費用や維持管理費用が抑えられ財政負担が小さく、南部地域の一定の利便性も維持出来るとしている。この他提案された「北部館、(仮称)中部館、中央館、南部館」の「4館体制」は「財政負担が最も大きい」、「北部館、(仮称)中部館、中央館」の「3館体制」は「財政負担は最小だが、市南部のサービスを網羅出来ない」と分析している。
「旧ひこね燦ぱれす」(小泉町648―3)は、91年に整備されたRC造2階建、延2267平方b規模の現施設に大規模改修と長寿命化対策を行い、延約530平方b規模の2階建建物を増築することで開架10万冊、閉架5万冊の図書館「(仮称)中部館」化が可能と発表。改修・増築整備の概算工事費約14億円(税込)は24年度策定予定の都市再生整備計画(南彦根駅周辺地区)第2期計画に位置付けることで国庫補助を活用し市費負担は約5億6000万円を試算。このため28年度までの整備が必要。
概算では、建築改修工事(2267平方b)4億1062万円、増築工事(524平方b)3億1440万円、昇降機設備工事(改修1基、増設1基)5951万円、電気設備工事(2267平方b)8135万円、機械設備工事(2267平方b)2億2555万円、外構工事(3030平方b)3027万円、家具工事(2791平方b)1億5450万円を合わせ初期整備費は12億7620万円(税抜)を想定。この他設計(基本・実施)1億3000万円、工事監理4200万円―等を試算。ひこね燦ぱれす図書館化調査検討業務担当は、八千代エンジニヤリング。
「北部館」となる「彦根市立図書館」(尾末町8―1)は、79年に整備された、RC造一部S造2階建(一部3階)、延2743平方b規模の現施設を22〜25年度の3ヵ年で計約2億3500万円をかけ集中的に大規模改修整備を進めている。22年度は当初予算4115万1千円と6月補正2327万円で措置した事業費所要額5609万円で受変電設備等更新工事と改修設計2件、昇降機更新工事と屋内消火栓・消火栓ポンプ更新工事の発注分に充当する。
2ヵ年目の23年度は、計画では事業費約8318万円で便所改修工事、空調・換気・給排水機等更新工事、障害者用駐車場等整備設計、3ヵ年目・最終年度の24年度は、事業費約9258万円で屋根葺替工事、外壁タイル吹付工事、障害者用駐車場整備工事を行う計画。
「中央館」は21年3月に選定用地が清崎町地先に決定したが、整備は市の財政状況が好転するまで延伸されている。「南部館」は未着手。
提供:滋賀産業新聞