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北陸工業新聞社
2022/09/30

【富山】単体、グループ売上は過去最高/新日本コンサルが44期事業報告/受注堅調、増収基調を維持

 新日本コンサルタント(本社・富山市奥田新町、市森友明代表取締役社長)は、第44期(2021年7月1日〜22年6月30日)の事業報告書(決算概要)をまとめた。
 単体およびNiXグループの売上高はともに大幅増となり、過去最高を更新した。
 グループの中核企業である新日本コンサルタント単体の業績は、売上高が前期比36・8%増の35億8351万円。今期もM&A、次世代インフラマネジメント事業サービスへの研究開発投資を継続したが、ネットキャッシュ760万5000円、自己資本比率率43・0%と、引き続き安定した財務基盤を維持している。
 また、選択と集中による事業譲渡に伴う売却益と基幹事業グループからの配当収入により、当期純利益は2億6694万8000円(243・9%増)となり、純資産利益率(ROE)と総資産利益率(ROA)も大きく伸長した。
 受注面も受注高3・7%増、完成基準をベースとした翌期への売上残高(受注残高)は17・4%増と引き続き堅調であり、増収基調を維持している。
 事業分野別比率は、国土強靱化予算により、道路・橋梁・構造物、上水道・下水道の社会インフラ分野が堅調に推移し、売上に貢献した。プロポーザル案件の特定増で、都市計画部門が売上、受注ともに増加し、鉄道・運輸機構の大型案件により、補償部門の受注が増え、45期の売上に貢献する見込み。
 発注者別比率は、国土交通省と農林水産省、鉄道・運輸機構、NEXCO等の国家機関からの受注が好調。また、プロポーザル案件や関東圏の大型受注シフトにより、富山県と富山市など、北陸圏の受注割合は低下した。ゼネコンからの再生可能エネルギー事業関連の大型案件をグループ連携で対応し、売上増加に寄与した。
 44期の業務実績は完成が182団体591件、受注が148団体402件。
 地元・北陸圏内における国と県、市町村等の各業務のほか、首都圏および関東圏では、▽春江橋架替詳細設計委託(東京都江戸川区)▽新湘南バイパス赤羽根高架橋西コンクリート橋耐震補強設計(中日本高速道路)▽諏訪北公園実施設計委託(東京都多摩市)▽夢見ヶ崎公園(中央エリア)基本設計業務(川崎市)▽大久保浄水場工水配水池耐震補強実施設計業務(埼玉県企業局)▽左敷田ポンプ場増強基本設計業務(埼玉県越谷市)▽北総東部用水事業計画概略検討業務(水資源機構千葉用水総合管理所)▽全国都市緑化かわさきフェア基本計画策定支援援業務(川崎市)▽浦安市地籍予備調査測量業務委託富岡一丁目(千葉県浦安市)−などを担当。
 一方、NiXグループの決算は、国土強靱化を背景とした受注増加と、収益認識基準適用に伴う売上計上基準の変更により、売上高は前期比26・9%増の54億2903万6000円となった。
 収益性指標である営業利益、EBITDA(減価償却前営業利益=新規投資・借入返済・税金納付に充当する原資)もグループ全体で順調に増加し、営業利益は同23・2%増の5億1073万円、EBITDAは同18・9%増の7億5567万円。海外事業への投資に対する大幅な為替差益が発生したことで、当期純利益は同120・4%増の6億6105万6000円となった。
 グループ経営においても、営業・技術連携や管理本部機能のシェアードサービス強化を進めており、新しい技術サービス業への実現に向けて、加速化している。
 NiXグループの中期経営計画(20年7月〜23年6月)では、日本で希少な存在と認識される「新しい国際インフラポテンシャルプロデューサー(IPP)」企業を目指し、直近では、第43期でM&Aを活用して基幹事業会社5社を増加したことにより、第45期(23年6月期)のグループ全体売上目標を55億円(直近50億円、当初45億円)に再度上方修正している。
 同グループでは、地域社会インフラの強化やインフラ技術者の雇用維持・技術伝承、国内外での再生可能エネルギー事業を通じた脱炭素化への貢献・新興国の電力不足解消などの社会的課題を解決することで、経済的価値を同時に増大する「CSV経営」を経営方針に掲げ、「サスティナブルな社会に必要なレジリエントな企業」を目指し、地域に不可欠な企業となるよう努力するとしている。

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