建通新聞社(東京)
2022/09/30
【東京】都 空堀川上流雨水幹線、初弾区間工を発注
東京都下水道局は空堀川上流雨水幹線(東大和市、武蔵村山市、立川市)の整備に着手する。初弾区間となる下流側の東大和市内に泥土圧式シールド工法で内径3250_、延長約2`の管渠を構築するため、10月に発進立坑工事、2023年1月に管渠工事の入札をそれぞれ公示・公告して施工者を選定。25年度内に管渠を完成させて雨水の暫定貯留を可能にする方針だ。並行して他の区間の実施設計も進め、後続工事の前提を整えていく。
空堀川上流雨水幹線は空堀川上流右岸の浸水被害を軽減するため整備する。立川市、武蔵村山市、東大和市の各一部に降った雨水を取り込んで、空堀川の高木橋付近と清水大橋付近から川に流す内径2000_台〜4000_程度、延長約9・5`の管渠とする計画。所管の流域下水道本部が19〜20年度にニチラボ(練馬区)で調査設計を行っていた。
このうち初弾区間と位置付けたのは、東大和市向原1〜3丁目の内径3250(外径3700)_、延長約2`。上仲原公園(向原1丁目)に発進立坑を設け、けやき通りや用水北通り、ハミングロードの地下約15〜20bを泥土圧式のシールドマシンで掘り進め、向原西公園(向原3丁目)に到達立坑を設けてつなげる。ルート中間の人孔2カ所と到達立坑の計3カ所から取水できるようにする。
立坑は地中連続壁工法での築造を予定。シールドのセグメントは主にRC製とし、急曲線部には鋼製を用いる。曲線半径は用水北通りとハミングロードが交差する西武拝島線東大和市駅付近の約20bが最小だ。
トップライズ(中央区)が実施設計を担当した。
22年度の発注見通し(7月公表)によると、発進立坑の工事は「空堀川上流雨水幹線その1工事」と題し、下水道施設の有資格者を対象とした希望制指名競争入札を10月に公示する予定。発注規模価格帯は5億円以上7億円未満、工期は260日間となっている。
一方、管渠の工事は「空堀川上流雨水幹線工事」と題し、一般土木の有資格者を対象とした一般競争入札を23年1月に公告する予定。発注規模価格帯が50億円以上70億円未満のWTO対象案件で、到達立坑の築造などを含め工期700日間で完了させる。
これら初弾区間の工事と並行して、立坑用地の調整状況や整備効果などを考慮しながら他の区間の実施設計を進め、後続工事の発注に備える考え。提供:建通新聞社