建通新聞社(神奈川)
2022/09/30
【神奈川】横浜市 上瀬谷、新たな交通導入へプロポ
横浜市都市整備局は、旧上瀬谷通信施設周辺に導入する新たな交通≠フ検討を進めており、9月29日、設計・建設〜維持管理、運営までの最適な事業スキームの概略検討でプロポーザルを公告した。案件名は「令和4年度 旧上瀬谷通信施設周辺における新たな交通の事業スキーム検討業務委託」。参加資格は横浜市の入札参加有資格者名簿に「建設コンサルタント等の業務」と「各種調査企画」を1位登録し、民間活力の導入可能性調査かPFI事業で事業者選定アドバイザリー業務の元請け受注実績がある者。10月6日正午まで参加意向申出書の提出を、10月31日まで提案書の提出を受け付ける。11月14日にヒアリングを行い、12月下旬、委託先を特定する。概算業務価格の上限は650万円(税込み)。
委託する業務は、土地利用転換が行われる旧上瀬谷通信施設地区で、相模鉄道本線瀬谷駅周辺を起点とした新たな交通の導入に向けた事業スキームの概略検討。
新たな交通の事業内容やスケジュール、事業主体などを整理し、導入や運営に関連する事業者を選定。ヒアリングを行い、内容を整理する。
予備検討で業務範囲を設定し▽事業手法の整理▽事業期間の設定▽リスク分担の整理▽定性評価―を行う。
納期は2023年3月。
〜上瀬谷ライン≠見直し〜
これまでに市は、国際園芸博覧会(花博)の開催に合わせ、上瀬谷駅からテーマパークまでの輸送手段として「上瀬谷ライン」の整備を構想していた。
上瀬谷ラインは環状4号線を導入空間に、箱型・円形トンネルと地表部で延長2・6`の複線軌道と、2カ所の駅を設け、乗客をピストン輸送する計画で、基本設計をパシフィックコンサルタンツ(横浜市西区)で行った。
最大8両編成の車両を1日上下線414本運行するとし、21年9月、市は運行事業者として横浜シーサイドライン(横浜市金沢区)に事業参画を依頼した。
しかし同社は採算性などを理由に「(事業に)参画すべきでない」と裁定し、市に上申。その際、「事業の採算性や継続性が抜本的に見直されれば、事業参画の検討を否定しない」とし、新たな交通を横浜市北西部の鉄道ネットワーク路線に位置付けることなどを付帯意見としていた。
市は今回委託する検討業務を通じて最適な事業スキームを見いだし、横浜市西部の活性化につなげたい考え。 提供:建通新聞社