市町村工事の一斉休業は半数にとどまる―。国や四国4県、四国内の95市町村などで構成する四国地方公共工事品質確保推進協議会(四国品確協)が4月に始めた毎月第2土曜日の全工事統一休業日について、直轄工事では260件中88%の230件で実施している一方、県発注工事では1345件中72%の966件、市町村発注工事では680件中51%の350件にとどまっていることが受注者へのアンケート結果の速報値で明らかになった。
2024年4月から労働基準法で定める時間外労働の上限規制が建設業にも適用されることに合わせた取り組みとして四国品確協が「統一休業日」を設けた。直轄工事と県発注工事での未実施の主な理由は「工程上、実施が困難」「会社の休業日ではなかったため」だった。市町村発注工事を見ると、実施できなかった理由は「工程上困難」の142件に続いて「週休2日対象外工事のため(対象工事であれば実施した)」が103件、「会社の休日ではなかった」が96件となっており、休業に対する意識の低さが受発注者双方で浮き彫りになった。
国土交通省四国地方整備局技術管理課の中野晴樹課長は「速報値ではあるが、この結果を分析して、現場閉所による統一休業を実行するのに何がネックになったのかを考え、品確協などの場で国と地方自治体の発注者としての意識を統一していく」と話す。「例えば、工程上実施が困難だったという点については、発注者側の責任として適切な工期の設定に努めなければならない」と言う。
会社の休業日ではなかったという理由で実施できなかったケースが多かったことについては「会社ごとの制度や給与体系などさまざまな要素があり一筋縄ではいかないが、目の前に迫った時間外規制に向けて、週休2日を浸透させるために協議会を通じて国、県、市町村が団結しての対策が必要だ」との考えを示す。
今後の取り組みについてのアンケート回答は、直轄工事と県発注工事の受注者は「このまま継続してほしい」や「週休2日、4週8休になるよう月4回に増やしてほしい」といった、「継続または統一休業日を増やしてほしい」が8割以上だった。市町村発注工事では「継続するか、増やしてほしい」が73%を占めている。
提供:建通新聞社